眼病を治癒するコンタクトレンズ――高い治癒効果を備えた細胞を張り付けた強膜レンズを開発

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クイーンズランド大学の研究者らは2018年11月1日、眼球表面の創傷を治療する「絆創膏」として機能するコンタクトレンズを開発したと発表した。これまで難しかったタイプの角膜治療などへの応用が期待されている。

同大のヘルスおよびバイオメディカルイノベーション研究所(IHBI)のDamien Harkin教授によると、この絆創膏は角膜間葉系間質細胞(L-MSC:Limbal Mesenchymal Stromal Cells)と呼ばれる、高い治癒効果を備えた細胞からできているという。

「これは、ドナーの眼球組織から採取されたL-MSCを、強膜レンズ(scleral lens)と呼ばれる特殊なコンタクトレンズの内側に貼り付けたものだ。」とHarkin教授。「このドナー組織は、通常の角膜移植手術などで生じる廃棄物から容易に入手できます。これまでの研究から、眼球表面の創傷を治癒する成長因子が、この組織から放出されていることがわかっている。」という。

Harkin教授は、「この治療法は、角膜潰瘍や従来の治療法では対処できない表面欠陥のような慢性疾患に苦しんでいる患者に有効だ。」と述べ、「腐食性化学物質や熱水による火傷のような眼の創傷に対する、有効な治療手段となる。」と、その狙いを説明する。

現在こうした創傷の治療には、ヒト胎盤の羊膜(AM:Amniotic Membrane)が用いられているという。Harkin教授によれば、「AMは、抗炎症および創傷の治癒因子の成分供給が限定的だ」とし、L-MSCを利用することで、より信頼性が高く費用対効果の高い手段で、治癒因子が供給できるようになる。」と述べている。

Harkin教授は、この治療法は厳密な臨床試験の後、数年以内に実用化できるだろうと予想している。

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