医療用カテーテル、電線ケーブルなどへの活用も視野に――CTC、複合材解析シミュレーターに組紐構造のモデリング機能を追加

伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は2018年12月6日、自社開発の材料解析ソフトウェア「Composites Dream(コンポジットドリーム)」に、製造、スポーツ、医療業界などでの活用が見込まれる、組紐構造についてのモデリング機能を追加したと発表した。価格は250万円(税抜)からで、3年間で150社への導入を目指すとしている。

Composites Dreamは、WiseTex/MeshTex/SACOMの3つのモジュールからなる解析ソフトウェアで、炭素繊維複合材(CFRP)やガラス繊維強化樹脂(GFRP)をはじめとする繊維強化複合材を対象とした解析システムだ。数値パラメーターと形状パターンを入力するだけで複合材の3次元モデルをコンピューター上に瞬時に構築し、特性の解析やシミュレーションを行う。織物構造や組物構造、縫合構造などさまざまなモデルを扱うことができる。

複合材は、強度や軽さなどの特性を向上させるため2つ以上の異なる材料を組み合わせた素材で、宇宙飛行体や航空機など幅広い分野で活用されている。通常は繊維とプラスチックなどの素材を組み合わせており、その構造により特性も大きく変化する。中でも長い繊維を円筒形に組み合わせた組紐構造の複合材は、高圧水素タンクや自動車用カーボンホイール、産業用ロボットアームなどさまざまな場面で今後の活用が期待されている。

今回、同社はComposites Dreamに組紐構造の3次元モデルを作成する機能を追加した。複合材に対する引張り/曲げ/圧縮/ねじりなどの物理的な外力に対して、構造や材料の違いが強度/損傷状態などにもたらす変化をシミュレーションできる。

Composites Dreamは、マクロ/メゾ/ミクロの異なるスケールレベルでの解析を重ね合わせてモデル化するため、組紐構造の複合材に対しても精度の高い解析を実現する。また、組紐構造のモデル作成は、複合材以外でも医療用カテーテルや電線/ケーブルなどへの活用も見込まれるという。

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