単結晶ハイブリッドペロブスカイトを使用したトランジスタの作製に成功

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米ノースカロライナ州立大らの研究チームは、単結晶のハイブリッドペロブスカイトを大気中において従来より低温で生成し、電界効果トランジスタの作製に成功したと発表した。電子デバイスの製造コストの削減や、柔軟性のある電子機器の開発が期待できる。研究成果は2018年12月17日付けの『Nature Communications』に掲載されている。

メチルアンモニウムなどの有機物とハロゲン化鉛などの無機物を含む有機無機ハイブリッドペロブスカイトは、溶液塗布で結晶を製造できるなど低コスト化が可能であるため、近年、太陽電池やLED、光検出器など多くの分野で注目されている。

しかし、トランジスタなどに必要とされる、欠陥が少なく、表面が平らで滑らかで結晶粒界がない、コンタミネーションフリーといった高品質の単結晶ハイブリッドペロブスカイトを製造することは、従来の方法では困難だった。

研究チームは、2枚のガラス板の間に2.5μmのPETフィルムを挟んで空隙を設け、そこに毛細管現象を利用してハイブリッドペロブスカイト溶液を流し込み、一定温度でアニールすることで単結晶の作製に成功した。挟まれた溶液は上下の層にならい、表面粗さはサブナノレベルを達成している。通常の単結晶材料は、高温高真空下で製造されるが、今回の材料は100℃以下の大気中で結晶を成長させることができるのも特徴だ。

例として、メチルアンモニウムハロゲン化鉛ペロブスカイト(MAPbX3、X=Cl、Br、I)を集積した両極性電界効果トランジスタを作製。室温での電界効果移動度はp型で最高4.7cm2/Vs、n型で1.5cm2/Vsを記録し、オンオフ比は10の5乗を示した。

今回の材料は、柔軟なプラスチックベースの基板とも互換性がある。材料中のハロゲン化物は、バンドギャップを決定し、半導体の顕色にも影響を与えることも判明している。バンドギャップの高い材料を利用すると、透明で目に見えないフレキシブル電子デバイスにもなり得るという。

ただし、課題もある。「今回の材料には人体に有害な鉛を含んでいるため、ウエアラブル機器には向いていない」と論文の責任著者であるAmassian准教授は語る。「現在は、鉛フリーもしくは金属フリーのハイブリッドペロブスカイトの研究を進めている。今回の結果は、新しいデバイス開発につながる重要な一歩だと考えている」としている。

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Technique Allows Integration of Single-Crystal Hybrid Perovskites Into Electronics

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