日本電産は2019年3月5日、電気自動車(EV)用トラクションモーターとしてインホイールモーターの試作品を開発したと発表した。
トラクションモーターは、EVにおいて駆動力を発生させる中核部品だ。現在のEVは、車台に搭載したモーターからシャフトを介して駆動力を伝達する方式が主流だが、駆動輪のホイールの中に小型化したモーターを搭載する方式もあり、搭載されるモーターはインホイールモーターと呼ばれている。
インホイールモーターは、トランスミッションやドライブシャフトなどによる摩擦抵抗がないため、高効率となり小型・軽量化が期待できる。そのうえ、駆動輪毎の独立制御によるTCS(トラクションコントロールシステム)やESC(横滑り防止装置)の性能向上も可能だ。
今回の試作品は、2019年5月から量産車に搭載される日本電産のトラクションモーターシステム 「E-Axle」の技術を応用。20インチのホイールに収まるサイズで32kgと小型軽量だ。それでも1つで100kW と1800ccクラスのガソリンエンジンに相当する出力があり、後輪駆動、前輪駆動、四輪駆動いずれの方式にも対応できる。同社は、2023年頃の量産を目指す。