ソーダ灰を使う低コストな産業用二酸化炭素吸収装置を開発

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ミシガン工科大学の研究チームは、工業用炭酸ナトリウム(ソーダ灰)を用いた二酸化炭素吸収装置を開発した。その性能をパイロットプラント規模で二酸化炭素含有量8%の煙道ガスを使って試験したところ、二酸化炭素の排出量を4%に半減させることに成功したという。

研究チームが開発した二酸化炭素吸収装置は、高さ11フィート(約3.35m)の円柱形のデバイスであり、その頭頂部にソーダ灰の溶液をポンプで送出するように設計されている。排ガスは円柱を下から上に移動していくのだが、頭頂部に近づくにつれてソーダ灰の溶液よって二酸化炭素が取り除かれる。

産業界では、コストと設置面積を理由に、工場に二酸化炭素吸収装置を導入しないケースが多い。二酸化炭素を排出物から除去する従来法としては、アミンを使用する方法があるが、1t当たり2万ドルの費用がかかる。一方、ソーダ灰の溶液を使えば100分の1、1t当たり200ドルで済む。

研究チームがミシガン工科大学の蒸気プラントに二酸化炭素スクラバーを設置し、8%の二酸化炭素を含む実際の煙道ガスを使ってその性能を試験したところ、排出量を4%に削減することに成功した。次の実験では2%以下を目指す。研究チームのSriram Valluri氏によると、実験室ではすでに0%を達成しているという。

「最大の課題は、排ガス中のガスの変動比率だ」とValluri氏。同じ研究チームのメンバーであるSam Root氏は、「二酸化炭素を測定し、それに応じてソーダ灰の溶液の量を操作するカスケード制御システムが必要だ」と述べる。

さらにValluri氏は「私たちの次の課題は、二酸化炭素吸収装置の規模を拡大すること、そして二酸化炭素の用途を考えることだ」という。同氏らはすでに、実験室規模で二酸化炭素からシュウ酸を製造することに成功している。

シュウ酸は鉱体から希土類元素(レアアース)を抽出するために使用され、抽出されたレアアースは携帯電話などの電子機器に使用される。レアアースは現在アメリカでは生産されておらず、その90%以上が中国で生産されている。

研究チームのリーダーであるKomar Kawatra教授は、「シュウ酸を国内で生産することができれば、国家安全保障にとって重要だ」と、その意義を説明している。

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