揺動環境下での耐フレッチンググリース、耐熱性の確保と耐摩耗性の向上を両立 日本精工

日本精工(NSK)は2019年4月18日、揺動環境下で使用される自動車向け深溝玉軸受の耐摩耗性を、耐熱性を確保しながら向上するために成分の配合を最適化した「揺動環境下での耐フレッチンググリース」を開発したと発表した。2022年に10億円の売り上げを目指す。

開発品では、グリース内の増ちょう剤として、金属と付着しやすいものを選定。また、基油の粘度を下げることで、増ちょう剤と基油を分離しやすくした。そのため、増ちょう剤で軌道面に層を形成し、フレッチング摩耗を抑制することができる。

同製品の耐フレッチング摩耗性能を確認するため、NSKは実施用条件に基づく過酷試験を実施。その結果、試験後内輪状況は摩耗深さが、従来品の6µmから1µm以下に低下していることが確認された。試験後ノイズ上昇も従来品に比べ70%低減していることが認められた。

低粘度基油の採用は、高温時の耐熱性低下という懸念をはらむ。そこで開発品には、高温時に耐熱性向上効果を持つ添加剤を配合した。それにより、従来品と同等レベルの耐熱性を維持したという。

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