宇宙機向け集積回路を少量生産システムで製造――投資額を従来比約1/1000の数億円に JAXA

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宇宙航空研究開発機構(JAXA)と産業技術総合研究所(産総研)は2019年5月10日、宇宙用の集積回路を少量生産システム(ミニマルファブ)で製造できることを実証したと発表した。産総研によりミニマルファブ用に開発されたSOI-CMOS 2層アルミ配線プロセス技術「Technology 2018」を用い、JAXAが1000トランジスタ規模の集積回路を試作し、その動作実証に成功したという。

宇宙機向け集積回路の1機当たりのオーダーは、数個~100個となるのが一般的だ。そのため、民生機器用の半導体製造方式で製造すると、チップ当たりのコストは高くなる。そこでJAXAと産総研は、ミニマルファブによる宇宙用集積回路の製造について共同研究を行ってきた。

ミニマルファブとは、産総研が提案する多品種少量生産システムのことだ。製造装置を小型化し、クリーンルームをなくすことで、1ライン当たりの投資額を従来の約1/1000の数億円、ウエハーサイズも従来の約1/1000のハーフインチサイズに抑えている。プロセッシング速度は通常の約10倍高速だという。

このミニマルファブ用に開発されたプロセス技術が、絶縁膜上のシリコン薄膜(SOI)にPMOSとNMOSのトランジスタを作って2層のアルミニウムで配線し回路を形成するTechnology 2018だ。この技術では全プロセス情報が電子データ化されているため、スタートボタンを一度押せば後はフルオートで全プロセスが完了する。そのため、回路設計者が一人で自ら全製造装置を駆動し、集積回路を製造できる。

ミニマルファブ向けに開発された実用SOI-CMOS Technology 2018

JAXAは今回の研究では、最初にNANDゲートをミニマルファブで試作し、その動作確認に成功。次に、1000トランジスタ規模の集積回路(4ビットシフトレジスタおよびI/O回路)も試作し、動作確認に成功した。耐放射線集積回路の製造可能性を実証するため、4ビットシフトレジスタのDフリップフロップにはクロックゲートタイプを採用したとしている。

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