ハイパースペクトルカメラ向け「InGaAsエリアイメージセンサー」を開発――波長2.55µmの近赤外光までエリア検出可能 浜松ホトニクス

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浜松ホトニクスは2019年6月6日、長年培った化合物光半導体の製造技術により、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、ヒ素(As)を材料とするエリアイメージセンサーとしては世界最長となる、波長2.55µmの近赤外光まで検出できる撮像素子「G14674-0808W」を新たに開発したと発表した。

同製品は、光を電気信号に変換するInGaAsの受光部と信号を読み出す回路で構成された、ハイパースペクトルカメラ向けのエリアイメージセンサーだ。ハイパースペクトルカメラとは、通常のカメラと異なり対象物からの反射光の強さを波長ごとに細かく分けて撮影できるカメラで、波長の情報を細かく分けて調べることで、通常のカメラでは分からないプラスチックの材質や食品に含まれる成分の違いを画像化できるため、プラスチックのリサイクルや食品検査などで利用されている。

現在、プラスチックのリサイクル用途向けのハイパースペクトルカメラでは、1.7μmの近赤外光まで検出できるInGaAsエリアイメージセンサーが主に使われているが、難燃性樹脂が含まれているプラスチックと一般的なプラスチックの選別が困難だった。そのため、難燃性樹脂が吸収する2.5μm付近の近赤外光まで検出できるエリアイメージセンサーが求められていた。

今回、同社はInGaAsの受光部に含まれるInAsとGaAsの組成比を最適化するとともに、受光部の製造工程を見直した。その結果、課題となっていた受光部に生じる欠陥を減らすことに成功し、世界最長となる2.55μmの近赤外光まで検出できるInGaAsエリアイメージセンサーを実現した。また、同製品に最適化した回路を自社で設計/製造することにより、画像のノイズの原因となる受光部に生じる暗電流を低減するとともに、信号の読み出し速度を現行品の2倍以上にまで高めた。

今後は同製品をプラスチックのリサイクル用途向けのハイパースペクトルカメラに組み込むことで、これまで識別が難しかった難燃性樹脂が含まれているプラスチックも選別でき、リサイクル率向上につながることが期待できるという。さらに、ハイパースペクトルカメラはコンクリート構造物の劣化診断や錠剤の識別などへの応用も期待できるとしている。

浜松ホトニクスは、2019年7月1日から国内外の産業用カメラメーカーに向け、同製品の受注を開始する予定だ。価格は220万円(税込)。初年度は年間30台、3年後には年間300台の販売目標を掲げている。同社はそのほか幅広い用途に向け、検出できる波長範囲が異なるInGaAsエリアイメージセンサーも同時に受注を開始する。さらにG14674-0808Wの性能を簡単に評価できる検出ヘッドの受注を2019年10月から開始する予定だ。同社は、2019年6月12日から14日までパシフィコ横浜で開催される「画像センシング展2019」に同製品を出展する。

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