国策として推進される農業改革、日本の農業が抱える課題とは?[農業の未来を担うアグリテック]

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メイテックネクスト 代表取締役社長 河辺真典氏


~ 大きく注目を集めつつある「アグリテック」に関する最新事情をエンジニアリングの視点から読み解く~

本記事は、エンジニア専門の人材紹介会社メイテックネクストへの取材を通じて、アグリテックの技術動向と転職市場を連載でお伝えしていきます。

前回までは「クルマ技術の今」「工場自動化」「物流の自動化」と題し、製造業の現状や自動化のトレンドについて、お伝えしてきました。

今回から「スマート農業を実現するアグリテック」と題し、大きく変わりつつある農業の最前線や、スタートアップを中心としたアグリテック企業や転職事情など、エンジニアのキャリア形成に役立つ情報をお届けしていきます。

第1回目となる本記事では、日本の農業が直面している課題と国策として推進されつつあるアグリテックについて、メイテックネクスト 代表取締役社長の河辺真典氏にお話を伺いました。


――なぜアグリテックが大きく注目を集めているのでしょうか?

[河辺氏]現在、日本の農業の担い手は減少傾向にあり、さらに労働人口の割合も、65才以上が63.5%、50 歳未満は12%と高齢化も進んでいます。一方で、農業経営体あたりの5ha以上の経営耕地面積は、2005年頃は43.3%、2015年には57.9%と増加傾向にあり、高齢化と労働力不足の中で、広い耕作面積に対応しなければならない状況へと変化しています。

こうした課題を解決し、生産性を高めるための技術が「アグリテック」「スマート農業」になります。

日本政府も2018年6月に発表した「未来投資戦略2018」の中で、国策として日本の農業をどうしていくべきかを示しており、国をあげて農業の課題解決に向かっているのです。

農業に目を向けて、投資し技術革新していくという道筋

[河辺氏]国策としての目標も示されています。2020年までにICTを活用した機械を実用化し、2022年に普及、そして2025年には農業の担い手ほぼ全員がデータを活用した農業を普遍的に実践している、というものです。こうした政府の後押しにより、この分野に対する企業からの投資も増えています。事業として成立する企業が増えてくれば、求人も拡大していくでしょう。

――高齢化、少子化による第一次産業の衰退はこれまでも指摘されてきましたが、国家の課題としてクローズアップされていると。

[河辺氏]世界的なナショナリズムの台頭で、食糧輸入に関しても想定外のことが起こるリスクが高まっている。そうした視点からも、国内でしっかりとした農業を成立させ、十分な食料自給率を確保しないことには、国家としての自立も難しくなっていきます。農業に関する問題は、看過できないところまで来ていると言えるでしょう。

実は10年ほど前にも、LED照明と水耕栽培を組み合わせた植物生産工場を作ろうという動きが、大手電気メーカーやベンチャー企業を中心に起きました。実際に工場を稼働させたところもありますが、電気や水などすべてをコントロールしながらの農業では、なかなか採算が取れず、結局ほとんどの企業が撤退しました。

今の動きは、すでにある農耕地の現状に即して課題をどう解決するかにフォーカスされていて、農業を立て直すためのスマート農業の実現を、農林水産省が推進しています。国家戦略として明文化されたことで、企業の動きが活発になってきたところはあるでしょう。

次回は、「アグリテックが抱える課題」と題し、スマート農業を実現するためのエンジニア視点の課題についてご紹介します。

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河辺 真典(代表取締役社長)
生産技術エンジニアとして5年・リクルートエージェントで8年の勤務経験あり。
弊社のコンサルタントは、転職支援のノウハウと業界・技術知識の両方に長けております。
その上で、単に転職先を決めるだけでなく、
転職先でご活躍いただく「失敗しない転職」をご支援するように心がけております。



ライタープロフィール
後藤 銀河
アメショーの銀河(♂)をこよなく愛すライター兼編集者。エンジニアのバックグラウンドを生かし、国内外のニュース記事を中心に誰が読んでもわかりやすい文章を書けるよう、日々奮闘中。


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