エンジニアの職種を分かりやすく解説。エンジニア種類から、キャリア、年収に関して

私たちが日頃使っている便利な製品やサービスは、エンジニアがトライ&エラーを繰り返すことによって世に生み出されました。その製品やサービスを完成させる過程には、各分野のエンジニアが持つさまざまな専門知識やスキルが必要です。そのため、一口にエンジニアと言っても、専門分野ごとにさまざまな種類のエンジニアが存在します。

この記事では、さまざまなエンジニアの種類を紹介し、仕事内容やキャリア、年収相場などを解説します。どうぞご覧ください。

エンジニアとは

エンジニアとは、工学(エンジニアリング)の専門知識やスキルを持つ技術者のことです。ひと昔前までは、エンジニアと言えば主に製造業に携わる「ものづくり技術者」がイメージされていました。しかし、近年は情報工学の発展により、IT業界で働く「IT技術者」を指してエンジニアと呼ぶことも増えています。

エンジニアの分類

エンジニアは大きく「ハードウェアエンジニア」と「ソフトウェアエンジニア」の2つに分類できます。

ハードウェアエンジニアは、さらに「機械設計エンジニア」と「電気・電子回路設計エンジニア」に分けられることが多いです。設計エンジニアだけでなく「製造エンジニア」「テストエンジニア」「フィールドエンジニア」など、業務に応じてさまざまな職種が存在します。

ソフトウェアエンジニアは、システム開発やアプリケーション開発、組み込み開発などの「開発系エンジニア」のほか、ネットワークやサーバー、データベース、セキュリティ、クラウドなどを取り扱う「インフラ系エンジニア」もいます。

代表的なエンジニア

代表的なエンジニアとして、以下の職種を紹介します。

• 機械系エンジニア
• 電気・電子系エンジニア
• プログラマー
• システムエンジニア
• インフラ系エンジニア
• Webエンジニア
• ロボットエンジニア
• セールスエンジニア
• フィールドエンジニア

それぞれ見ていきましょう。

機械系エンジニア

機械系エンジニアは、製造業に携わるエンジニアの中でも機械設計に関わることが多いです。機械設計には、構造設計や機構設計、レイアウト設計、金型設計、板金設計、筐体設計、樹脂設計など、さまざまな設計業務があります。

設計は図面を描く仕事と思われがちですが、どのようなものを作るか決めないと図面は描けません。そのため図面を描く前に、概念設計と呼ばれる製品の企画構想が必要です。市場の動向やクライアントの要望をもとに、製品の仕様を決めていきます。製品の仕様が決まればCADで図面を描き、CAM(Computer Aided Manufacturing)でプログラムを作成したり、CAE(Computer Aided Engineering)で解析やシミュレーションをしたりもします。

求人ボックスの調査によると、機械系エンジニアの年収相場は約340〜880万円で、平均年収は約470万円です。製造業は円安の進行により、生産拠点の国内回帰が期待されています。慢性的な人手不足も相まって、機械系エンジニアの需要はさらに高まるでしょう。また、IoT(モノのインターネット)化の発展に伴い、ソフトウェアに詳しい機械系エンジニアの価値が上がることも予想されます。

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電気・電子系エンジニア

電気・電子系エンジニアは、生活に欠かせない電気製品や製造設備の設計や開発、製作、修理などを担います。対象となる製品は家電、電気自動車、半導体、ロボット、モバイル端末、医療機器など多岐にわたります。必要な知識、スキルとしては、電気工学や電子工学などの工学系の基礎知識やスキル、また、業務を遂行する上では電気回路図や電気部品に関する知識も不可欠です。今後、AIなどの最新技術が製品開発に応用されていくことを考えると、プログラミングなどの技術の重要性が高まることが想定されます。

求人ボックスの調査によると、電気設計の年収相場は約330〜900万円で、平均年収は約470万円です。電気・電子系エンジニアが設計、開発する電子回路はあらゆる製品に組み込まれているため、幅広い業界で活躍するチャンスがあります。昨今のスマートフォンやタブレット、ウェアラブルデバイス、デジタル家電などの普及に伴い、電気・電子系エンジニアに対する需要は今後も増々高まっていくでしょう。

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プログラマー

プログラマーは、PHPやRuby、Python、C#などのプログラミング言語を使って、システムやアプリケーション、組み込みソフトウェアなどのプログラムを書いていきます。システムエンジニアが作成した仕様書に従って、実際に動く製品やサービスを完成させるのがプログラマーの役割です。建築に例えると、設計図に従って実際に家を建てる「大工」に当たります。

プログラムは正しく動くだけでなく、セキュリティ面も含めて不具合が生じないようにしなければなりません。思わぬ不具合が生じることで、大きな損害をクライアントに与えてしまうこともあります。そのため、あらゆる角度からプログラムをテストし、不具合を起こすバグを修正する作業も必要です。

求人ボックスの調査によると、プログラマーの年収相場は約300〜800万円で、平均年収は約420万円です。プログラミングのスキルや経験によって年収に幅があります。プログラミング技術は日進月歩で発展しているため、プログラマーとして年収を上げるには、スキルを高めて新しい経験を積んでいくことが有効です。IT業界は人材が不足しているため、プログラミング初心者でも需要があります。スキルを高め続けられる人は、ずっと活躍していけるでしょう。

システムエンジニア

システムエンジニアは、一般的にシステム開発の上流工程を担当します。上流工程とは、クライアントの要望をヒアリングし、設計したシステムを仕様書にまとめる工程を指します。プログラマーや開発進捗の管理まで担当することも多いです。建築に例えると、設計図を書く「建築士」や、建築現場を指揮する「現場監督」に当たります。

開発現場によっては、システムエンジニアがプログラミングまで担当することもあります。しかし、一般的にシステムエンジニアは「プログラムを書くこと」よりも、クライアントが要望するシステムを具現化するために、「プログラミングで何ができるか」を把握していることが重要です。また、予算や納期も適正に判断しなければなりません。クライアントの要望に寄り添い過ぎると、プログラマーが疲弊してプロジェクトがスムーズに進まなくなることもあります。

求人ボックスの調査によると、システムエンジニアの年収相場は約360〜1,070万円で、平均年収は約500万円です。プログラマーより年収レンジが広いため、プログラマーからシステムエンジニアへキャリアアップする人もいます。DX(デジタルトランスフォーメーション)推進が叫ばれる中、これからシステムエンジニアの需要はますます高まるでしょう。

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インフラ系エンジニア

インフラ系エンジニアは、システムやアプリケーションを稼働させる基盤となるネットワークやサーバー、データベース、セキュリティ、クラウドなどの設計や構築、運用、保守を担当します。インフラとは「インフラストラクチャー(Infrastructure)」の略称で、電気や水道、ガス、道路、公共交通機関など、生活を支える基盤となるものを指す言葉です。

取り扱うインフラによって、さまざまなインフラ系エンジニアが存在します。「ネットワークエンジニア」は、ルーターやハブなどのネットワーク機器を選定し、実際に機器をLANケーブルで接続します。「サーバーエンジニア」は、Webサーバーやメールサーバー、ファイルサーバーなどのサーバーを構築し、「データベースエンジニア」は、Oracle DatabaseやMicrosoft SQL Serverなどでデータベースを設計します。「セキュリティエンジニア」は、サイバー攻撃やウイルス感染などを防ぐ対策をします。「クラウドエンジニア」は、クラウドサービスに特化したエンジニアです。

求人ボックスの調査によると、インフラ系エンジニアの年収相場は約350〜920万円で、平均年収は約500万円です。近年はクラウド化がトレンドのため、インフラ系エンジニアの中でも、特にクラウドエンジニアの需要が高まるでしょう。

Webエンジニア

Webエンジニアは、WebサイトやWebサービス、Webアプリケーションなどを開発、運用します。よく混同されるシステムエンジニアとの違いは、システムエンジニアは金融システムや流通システムなどの業務システムを開発することが多いのに対し、WebエンジニアはECサイトや予約サイト、SNSなどのWeb系開発に特化しています。

Webエンジニアは、「フロントエンドエンジニア」と「バックエンドエンジニア」に大別されます。ユーザーが見たり操作したりする部分を開発するのがフロントエンドエンジニアで、ユーザーからは見えないデータ処理部分を開発するのがバックエンドエンジニアです。ECサイトであれば、商品一覧画面のデザインや動きを担当するのがフロントエンドエンジニアで、検索キーワードに応じてデータベースから商品一覧データを抽出するのが、バックエンドエンジニアの役割です。両方できるWebエンジニアは「フルスタックエンジニア」と呼ばれます。

求人ボックスの調査によると、Webエンジニアの年収相場は約290〜940万円で、平均年収は約510万円です。Web系開発にはトレンドを押さえた視点が求められるため、スピード感のある対応ができるWebエンジニアが重宝されます。

ロボットエンジニア

ロボットエンジニアは、ロボットの開発や保守をします。近年は産業用ロボットだけでなく、家庭用の掃除ロボットやペットロボット、レストランの配膳ロボット、医療や福祉をサポートするロボット、自律移動型の警備ロボットなど、さまざまなロボットが活躍中です。

これからAI(人工知能)の発達が進めば、さらに多くの分野で人間の代わりにロボットが活用されるようになるでしょう。ロボットエンジニアは技術的な専門知識やスキルだけでなく、ロボットが必要とされる潜在ニーズを見極める力も求められます。

ロボットは、人間と共存して業務や生活をサポートしてくれる存在です。しかし、誤作動や不具合により思わぬ事故につながる可能性もあります。そのためロボットエンジニアは、細心の注意を払ってロボットを設計し、十分な安全性を確保しなければなりません。また、安全性を維持するためには、定期的なメンテナンスも必要です。

求人ボックスの調査によると、ロボットエンジニアの年収相場は約310〜790万円で、平均年収は約450万円です。少子高齢化による労働人口の減少により、今後さらなるロボットの活躍が期待されています。ロボットエンジニアの需要は、ますます高まるでしょう。

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セールスエンジニア

セールスエンジニアは、エンジニアの専門知識を持つ営業職です。一般的な営業職はハードウェアやソフトウェアの専門的な技術知識を持っていないことが多いため、クライアントとの話がスムーズに運ばないことがあります。そこをサポートできるのがセールスエンジニアです。

一般的な営業職が製品やサービスの説明をする場合、クライアントから技術的に突っ込んだ質問をされると、詳細な回答を確認するためにいったん社内に持ち帰ることがあります。一方、セールスエンジニアは即答できるため、時間的なロスを省けるだけでなく、クライアントとの信頼関係構築にも効果的です。

また、セールスエンジニアはクライアントの潜在ニーズに気づきやすく、技術的な課題解決や改善提案をする場合も説得力があります。このコミュニケーション能力は、AIがいくら発達したとしても代替されることはないでしょう。

求人ボックスの調査によると、セールスエンジニアの年収相場は約360〜1060万円で、平均年収は約550万円です。どんなに良い製品やサービスを作っても、売れなければビジネスは成り立ちません。クライアントに対して製品やサービスの良さを的確にアピールし、信頼関係を構築できるセールスエンジニアは貴重な存在です。

フィールドエンジニア

フィールドエンジニアは自社製品と取引のある顧客の現場に出向き、納品時の設置から製品の使い方の指導、定期メンテナンスやトラブル対応、営業活動などを行います。対象製品は各種ソフトウェアやIT機器、産業機器、半導体製造装置、医療機器、OA(オフィスオートメーション)機器、FA(ファクトリー・オートメーション)機器などさまざまです。

近年の求人傾向としては、半導体製造装置やITシステムを得意とする人材の必要性が高まっています。IoTやAI、VR技術などの実用化に伴い、装置やシステムが高度化し、セットアップから保守、修理対応などにも専門的な知識やスキルが必要になっています。こうした領域に強みを持つフィールドエンジニアは、今後も広い分野で活躍する機会が増える見込みです。

求人ボックスの調査によると、フィールドエンジニアの年収相場は約345〜960万円で、平均年収は約445万円です。日本では少子高齢化が進み、生産年齢人口の減少傾向が続くため、多くの企業の製造現場では自動化や省人化を目的にFA機器の導入が活発化しています。搬送から組み立て、出荷まで一連の作業を担うロボットや機器の導入、および安定的な稼働を維持するためにも高度なスキルを備えたフィールドエンジニアが必要とされています。今後もフィールドエンジニアの求人は増加する見込みで、未経験でも採用されやすい職種と言えるでしょう。

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未経験でも目指しやすいエンジニア

エンジニアは専門的な知識やスキル、経験などが必要とされます。しかし、昨今は少子高齢化による人手不足のため、やる気やポテンシャルがあれば、未経験でもエンジニアを目指すことが可能です。

理系の大学などを出ていれば、十分なポテンシャルがあると判断されることも。また文系でも、これまでのキャリアを生かせることがあります。例えば、金融業界の知識や経験があるならば、金融系のシステム開発でクライアントの話が分かるシステムエンジニアとして活躍できるでしょう。

また、プログラミングは独学やスクールなどでも学べるため、事前にスキルを身に付けてからプログラマーとしてエンジニアのキャリアをスタートさせる人も少なくありません。プログラマーとして一定の経験を積めば、他のエンジニア職種にもチャレンジしやすくなります。

エンジニアに向いている人

エンジニアには数字やデータに強く、論理的な思考ができる人が向いています。また、製品やサービスを開発する際はトライ&エラーを繰り返すため、完成に向けて根気よく作業できる人も適性があります。しかし、一人で黙々と考えて作業するのが好きという理由でエンジニアを選ぶのは、ミスマッチを起こす可能性があるため注意が必要です。

製品やサービスの開発では、さまざまな人や部署とのやり取りが生じます。個人プレーではなくチームプレーで完成を目指すため、コミュニケーション能力が求められます。チームメンバーに分かりやすく指示を出したり、チーム全体をうまくまとめたりできるリーダーシップのある人は、良いポジションで活躍できるでしょう。

また、技術は移り変わっていくため、最新技術やトレンドを柔軟に受け入れてキャッチアップしていける人もエンジニアに向いています。エンジニアとして活躍し続けるには、継続的なスキルアップが必要です。

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エンジニアのキャリアパスはどのように考えるべきか?転職のプロがポイントを伝授

エンジニアへの転職なら「メイテックネクスト」

メイテックネクスト 東京支社長 梅津太一氏のコメント
エンジニアの分類、代表的な職種の特徴、年収相場、向いている人などを綴ってきましたが、ご自身でも共感、あるいは一部当てはまると感じた方もいらっしゃると思います。一方、自分自身を本当の意味で客観視できているエンジニア、は日々転職支援をさせて頂いている中で、あまり多くはないと感じています。その背景は、自身の強みやスキルを客観視することはできても、日々変動するマーケットに照らし合わせての客観視は、業界を横断した情報収集が必要だからです。転職をすることと、転職活動することは、当たり前ですが異なります。自身を客観視するということに興味をお持ちの方は、転職ではなく、転職活動をお勧め致します。置かれている環境の良さ、現職にいることのメリットが見えてくることで、視野は拡がり、自身の本当にやりたいこと、優先順位が見えてくると思います。

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まとめ

さまざまなエンジニアの仕事内容やキャリア、年収相場などを解説しました。

製品やサービスを開発するには、多くのエンジニアの技術力を必要とします。しかし、加速する少子高齢化に伴い、エンジニアは各業界で慢性的に不足しています。技術的なことに興味がありスキルを高めていける人ならば、未経験からでも将来性のあるキャリアをスタートできます。

エンジニアの仕事に興味のある方は、ぜひメイテックネクストにお問い合わせください。

参考:インフラエンジニアと開発エンジニアはどっちがいい?それぞれの違いを解説 | SES業務管理の統合ツール Fairgrit®公式サイト

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記事監修
梅津 太一(メイテックネクスト 東京支社長)
中小から大手メーカーに対する採用コンサルティングを4年、その後はキャリアアドバイザーとして11年、延べ4000名以上のエンジニアのキャリアカウンセリング経験を持ちます。得意としていることは「求職者の強みの抽出」と「要素技術軸、工程軸(方法論)でのマッチング」です。昨今のマーケットは先が読みくいが故、自身が今どのような経験を積むべきか、また、どの分野(強み・弱み)に負荷をかけ成長を促すかを求職者と一緒に考えていきたいと思います。


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