小型宇宙機用通信セキュリティ技術の実証実験に成功――事前に鍵共有することで情報理論的安全性を達成 NICTなど

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

実験に用いたMOMO3の打上げ(左)今回開発した技術の実験回路(右)

情報通信研究機構(NICT)は2019年7月10日、インターステラテクノロジズ及び法政大学と共同で、小型衛星/小型ロケット用通信セキュリティ技術の実験回路を開発し、実証実験に成功したと発表した。なお、同実験では、開発した実験回路を観測ロケット「宇宙品質にシフトMOMO3号機」に搭載し、宇宙への飛行環境下で動作を確認している。

今回の飛行環境下の実験に用いたMOMO3

近年の小型衛星の打ち上げ増加を受け、昨年には「人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律」が施行された。このため、重要なシステムにおける信号の送受信の暗号化など、小型宇宙機との通信について適切なセキュリティを確立することが求められていた。

そこで、研究グループは、小型宇宙機の乗っ取り防止や小型宇宙機から伝送される飛行状況や価値の高いデータの保護といった、小型宇宙機用通信セキュリティ技術の確立を目標に設定。情報理論的に安全な通信セキュリティ技術の開発と、民生用電子部品を用いたプロトタイプ実装と地上実験を実施してきた。

今回開発した技術によるアップリンク/ダウンリンクの通信セキュリティ

そして、研究グループは今回、想定する通信システムでは、打ち上げ前に地上局と小型ロケット/小型衛星の間で鍵共有が物理的に容易なことに着目。総通信量における鍵の総量を抑えることで、情報理論的な安全性を低コストで達成した通信セキュリティ技術を開発した。さらに、地上局と小型宇宙機との通信で強く要求されるリアルタイム通信も可能だ。また、従来の小型衛星と同グレードの民生用電子部品を利用しているため、多様な小型宇宙機への適用ができるという。

研究グループは、今後も、本格的な飛行環境下で更なる技術検証と技術改良を進め、宇宙ビジネスに欠かせない伝送データの保護と飛行の安全確保に貢献するとしている。

関連リンク

プレスリリース

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る