東レは2019年7月29日、車載用ディスプレイパネル用などに求められる高視認性や、大画面化、曲面化が可能な感光性導電材料「RAYBRID」の改良版を開発し、量産および販売を開始したと発表した。
従来のITO電極を用いた車載ディスプレイは、大型化すると接触部の電気的変化を感知しにくくなり、反応遅れや誤動作につながる可能性があった。
今回発売した感光性導電材料は銀粒子を分散させたタイプで、2~4μmの微細配線を安定して形成できる。メタルメッシュ電極に用いることで、電極が肉眼では見えない視認性の高いディスプレイの作製が可能になる。さらに、同材料をメタルメッシュ電極に用いた場合、同社従来品と比較してセンサー感度が30%向上する。また、低抵抗であるために、ディスプレイ中央の接触部の感度を高めることでき、従来では難しかった8インチ以上の大画面ディスプレイにも対応できる。
直径2mmで20万回折り曲げても抵抗が変化しないなど屈曲性にも優れており、東レが開発した透明ポリイミドをフィルム基板として組み合わせることで、大型の曲面ディスプレイの実現も可能だ。その他、メタルメッシュ電極形成時に引き回し配線を一括形成することができるため、作製プロセスを簡略化できる。