アルミニウム合金とポリカーボネート樹脂を高強度で直接接合する技術を開発 昭和電工

昭和電工は2019年8月5日、アルミニウム合金と汎用の非晶性エンジニアリングプラスチックであるポリカーボネート樹脂を高強度で直接接合する技術を開発したと発表した。

従来アルミニウム合金と樹脂との接合は、ボルトなどによる機械的接合や接着剤を用いた接着接合が主流だった。しかし近年、樹脂材料の射出成形時に金属素材と直接接合する新技術が注目されている。金属樹脂直接接合技術は、従来の方法と比較して、工程の簡略化や生産性向上、また複雑形状でも加工可能な点から期待されている。しかしこの技術は、粗面化した金属表面に樹脂を注入して得られるアンカー効果などの機械的な結合力によって接合するため、ポリカーボネート樹脂などの非晶性エンジニアリングプラスチックとの接合は難しかった。

今回開発した技術は、特殊表面処理とプライマー処理を施したアルミニウム合金を使用し、ポリカーボネート樹脂との高強度の直接接合を可能にした。この接合技術は、アンカー効果のみに頼るのではなく、化学結合力も利用した画期的な接合技術だ。実験により、一般的なポリカーボネート樹脂の成形条件で、25メガパスカル以上の実用上充分な接合強度を持つことを確認している。さらに、接合強度を充分に発揮させるための特殊な条件や設備が不要なことも特徴だ。

今回開発した技術は、汎用性の高いポリカーボネート樹脂と軽量なアルミニウムを接合できるため、スマートフォンの筐体用途に適用できるという。今後はアルミニウムの表面処理技術およびプライマーの塗工条件を最適化することで、接合強度や耐久性を高める開発を進める。さらに、適用樹脂を拡大させ、耐熱性の高いスーパーエンジニアリングプラスチックへの応用も目指す。

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