パスタのようなグリッパーで優しく掴む、クラゲ捕獲用水中ロボットハンドを開発

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Credit: Sinatra et al., Sci. Robot. 4, eaax5425 (2019)

海に棲むクラゲは、その体重の95%は水分だ。だが、残りの5%には、多くの科学的研究対象が含まれているという。例えば緑色の蛍光物質や、老化現象の解明のヒントになるかもしれない生態などだ。

クラゲの研究の難しさのひとつは、その採取の難しさだ。現在、海洋生物学者が使える遠隔操作の標本採取ツールは、石油やガス産業のために開発されたもので、岩のように固いものを掴むことに適しているものの、クラゲを捕まえようとすると細切れにしてしまうという。

そこで、ハーバード大学ジョン.A.ポールソン工学・応用科学スクール(SEAS)ワイズ研究所とニューヨーク市立大学バルーク校の研究チームは、繊細なクラゲにダメージを与えることなく捕まえられる水中グリッパーを開発した。詳細はロボット工学ジャーナル『Science Robotics』に掲載されている。

このグリッパーには、平打ちパスタのような6本の指がある。それぞれが内部に中空のチャネルを有する、薄く平坦なシリコン製ストリップの指で、柔軟だが堅いポリマーナノファイバーの層に接着されている。6本の指は、3Dプリンターで作られた長方形の「手のひら」につながれ、チャネルが水で満たされると、ナノファイバーで覆われた側にカールする。それぞれの指が加える圧力は0.0455kPaで、人間のまぶたの圧力の10分の1以下だという。

研究チームはマサチューセッツ州ボストンのニューイングランド水族館へこのグリッパーを持ち込み、水クラゲを含むゴルフボール大の様々なクラゲを捕らえ、水圧を下げるまでクラゲが逃げられないことを確認した。論文共著者で生物・環境科学教授のDavid Gruber氏は、「海洋学者は、アクセスできない環境下で、クラゲのようなデリケートな生物を扱える手段を待ち望んでいた」とし、「このグリッパーは研究のペースと質を大いに改善することになるだろう」と述べている。

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A gentle grip on gelatinous creatures

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