矢野経済研究所は2019年10月21日、車載用リチウムイオン電池の世界市場調査結果を発表した。
同調査によると2018年の車載用リチウムイオン電池の世界市場規模は、容量ベースで110.5GWh(前年比192.4%)で、2020年には200GWhを超えると予測している。
xEV(電動車)の世界最大市場である中国では、補助金縮小の影響で一時的に需要が縮小したが2018年下期から需要が回復し、再度世界市場を牽引した。また、欧州ではディーゼルエンジンに対する逆風によりハイブリッド車(HEV)の販売が拡大。2021年のCO2規制実施に備えて電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の生産、市場投入が予定されている。
EVやPHEV市場はこれまで補助金や税制優遇などの政策の後押しで成長を続けてきたが、欧州各国および中国でも優遇政策の低減、廃止が予定されており、同市場が減速する可能性もあるという。一方、中国での一定比率の新エネルギー車生産、販売を義務付ける制度や、欧州での排ガス規制強化などが優遇政策に代わってxEV市場の成長要因になると考えられる。
2019年の政策ベース予測が188.2GWh(前年比170.3%)、市場ベース予測が162.2GWh(同146.8%)。2030年には503.4GWh(市場ベース予測)まで成長すると予測している。