ペロブスカイトを含む次世代太陽電池、2030年の世界市場は4563億円に

富士経済は2020年3月5日、次世代太陽電池の世界市場調査結果「2020年版 新型/次世代太陽電池の開発動向と市場の将来展望」を発表した。2019年の既存太陽電池(結晶シリコン、CIS/CIGS、CdTe)世界市場が4兆1730億円となる一方で、同年の次世代太陽電池世界市場は6億円になると見込んだ。また、2030年の次世代太陽電池世界市場は4563億円になると予測している。

調査対象は、次世代太陽電池を商用化している企業、あるいは商用化に目途をつけた国内外の企業23社。徐々に商用化が進んでいる色素増感(DSC)、有機薄膜(OPV)、ペロブスカイト(PSC)、ヒ化ガリウム(GaAs)といった次世代太陽電池の世界市場を調べた。

色素増感(DSC)は、10年程前に商用化されていたものの、核となる用途開拓が進んでいなかったが、IoT(モノのインターネット)化の進展により、通信/センサー用電源としての採用が進みはじめている。IoTデバイスの全てに太陽電池が導入されることはなく競合があるが、他の電源にはない優位性があるため、今後の伸びが期待される。

有機薄膜(OPV)は、日本では実用化を目指した研究開発が進められている段階だが、世界的には商用化しているメーカーが数多くあり、主にBIPV(建材一体型太陽電池)としての採用が進んでいる。既存太陽電池と競合するものの、既存太陽電池では不向きな壁面への設置に対応することや、高温/高緯度地域に適しているなどの優位性が発揮されることで世界的に普及が進んでいくという。

ペロブスカイト(PSC)は、研究開発に乗り出すメーカーが急増している中で、中国と欧州のメーカーが先行している。商用化は2020年から進むと見られるが、耐久性と毒性の高い鉛の使用に関する課題がある。短期的な量産、量販は考えにくいが、課題解決の進展によっては普及が想定を上回るスピードになる可能性がある。

ヒ化ガリウム(GaAs)は、人工衛星など宇宙用のほか、砂漠や乾燥地に導入する集光型太陽光発電システム(CPV)で40年以上使用されているが、製造工程が複雑で高コストであること、有害物質を使用することから、2019年は商用販売は見受けられなかった。各種太陽電池の中で変換効率が最高水準であり、面積当たりの出力が大きいため、自動車やUAV(無人航空機)などの移動体での導入が適しており、市場拡大が期待される。

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