「究極のシャボン玉」を作る――物理学者が超巨大シャボン玉を作るレシピを解明

シャボン玉は、年齢に関係なく人の心を魅了する。流体力学を専門とするエモリー大学の物理学者Justin Burton氏らは、100m3という超巨大シャボン玉を作り出すシャボン液レシピを見出した。さまざまな鎖長のポリマーが含まれているのが特徴で、詳細は『PHYSICAL REVIEW FLUIDS』誌に、2020年1月29日付で掲載されている。

自動車のサイズに匹敵するほど大きなシャボン玉を作り出す大道芸人らがいる。Burton氏はオープンアクセスのSoup Bubble Wiki情報から、人気のあるシャボン液レシピの多くに、食品添加物の増粘剤であるグアーガムや医療用潤滑剤のポリエチレングリコールが含まれていることに気付いた。これらの情報を参考にして、シャボン液の完璧な成分比を決定することを目的に、実際にシャボン玉を作る実験をした。

水、洗剤、長鎖ポリマーをさまざまな比率で混合したシャボン液を作り、できたシャボン玉の厚さや寿命を計測した。その結果、巨大シャボン玉作製のカギとなる成分は、ポリマーであると結論づけた。ポリマーは、より糸のように絡み合って分解しづらい長い鎖構造を形成する。また、複数の長さのポリマーを加えることで、1種類のポリマーだけよりもさらに絡み合い、シャボン玉の弾性が増すことも見出した。

Burton氏らが決定した究極のシャボン玉レシピは以下の通りだ:
<材料>
・水 1L
・洗剤(Dawn Professional Detergent) 50mL
・グアーパウダー 2~3g
・消毒用アルコール 50mL
・ベーキングパウダー 2g

<作り方>
1. グアーパウダーにアルコールを加え、ダマにならないよう混ぜる。固まりがなくなったら水を加えてさらに10分間静かに混ぜる。
2. 粘りが出てきたところで、ベーキングパウダーを加えて混ぜる。
3. 次に洗剤を加え、泡が立たないように静かに混ぜる。これでシャボン液が完成する。
4. ひも付きの繊維質でできた大きなシャボン玉枠を、3のシャボン液に完全に沈めて浸し、ひもをゆっくりと引き出す。
5.枠をゆっくり動かすか空気を吹きかけて、巨大なシャボン玉を作る。

関連リンク

Physics of Giant Soap Bubbles

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