神経刺激インプラントシステムを開発――磁場を使って、制御と給電が可能

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Credit: Secure and Intelligent Micro-Systems Lab/Rice University

ライス大学の研究チームは、磁場を使って制御と充電が可能な神経インプラントシステムを開発した。てんかんやパーキンソン病の治療のために用いられる神経への電気刺激をプログラム可能なデバイス向けの技術で、2020年2月19日、サンフランシスコで開催された「International Solid-State Circuits Conference」で発表された。

今回開発された統合マイクロシステムは、柔軟なポリイミド基板の上に配置された、磁場を電場に変換する2×4mmの磁電気変換フィルム、CMOSチップ、エネルギーを一時的に蓄えるコンデンサという3つのコンポーネントで構成され、「MagNI(磁電気神経インプラント)」と呼ばれている。磁電気変換フィルムが、体外からの交流電場から電力を得て、CMOSチップへと給電し、同時に磁場に乗せられた制御信号を送るために利用されている。

人体の組織は、磁場を吸収しないため、MagNIは、超音波や電磁放射、誘導結合、光学技術などを使った他の神経刺激法よりもメリットが大きい。また、電磁放射や光放射、誘導結合と同様に、人体組織を熱することもない。しかも、MagNIは堅牢で、定期的なキャリブレーションも必要ない。人体外部にウェアラブルなバッテリー駆動式の磁気送信機を装着し、脊髄刺激ユニットのような埋め込みデバイスを磁気を使って遠隔制御するようなアプリケーションが実現できる可能性がある。

研究では、体組織を模した溶液にデバイスを浸し、長期的な信頼性を試験した。また、淡水ポリープの一種Hydra vulgarisを使って、実際に電気刺激を加える技術検証を行ったところ、刺激に反応して生体が収縮した際に発する蛍光色が確認されたという。

研究チームによると、現行のデバイスは情報を一方向にしか伝えられないが、将来的には双方向通信を可能とし、インプラントからのデータ収集を行うなど、より多くの応用を目指している。

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