グラフェンの隠れた性質を引き出す――3つの電気特性を持つデバイス開発に成功

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Credit: Guorui Chen/Berkeley Lab

米エネルギー省ローレンス・バークレー国立研究所を中心とする研究チームは、超電導体、絶縁体、強磁性体という3つの特性を持つグラフェンデバイスを開発した。このデバイスは、量子コンピュータなど次世代高速電子機器で使われる電子回路の研究のような、新しい物理実験を可能にするものだという。

研究チームが開発した厚さ1nm、大きさ0.1mm角のデバイスは、3層グラフェンを窒化ホウ素の層ではさんでおり、「モアレ超格子」を形成している。研究チームはこのデバイスを2019年に開発し、超電導性と絶縁性の2つの電気特性を持つことを確認している。

今回、研究チームはこのデバイスのゲートに電圧を印加してデバイスの外縁を周回するトポロジカル電流を生じさせ、強磁性体の性質を持たせることに成功した。また、グラフェン系の内部は絶縁性になり、外縁は無抵抗で電流が流れるチャネルに変化した。研究者によれば、これは「チャーン絶縁体」として知られる特性だという。

研究の詳細は、学術雑誌『Nature』に2020年3月4日付で掲載されている。論文の筆頭著者であるGuorui Chen研究員は「グラフェンが単一粒子から超電導までさまざまな物理学の研究に理想的なプラットフォームであることを、我々の発見は示している。厚さ100万分の1mmという小さなデバイスで新しい物理学を研究できるのは素晴らしいことだ」と述べている。

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