マイクロワイヤーを使い広範な脳活動を正確に記録する方法を開発――将来的には脳波制御デバイスへの応用も

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マウスの脳活動に関する研究により、表面とより深い領域を同時に含む、広範囲にわたる脳活動を正確に記録する方法が開発された。フランシス・クリック研究所、スタンフォード大学、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンなどの共同研究によるもので、人間に適応できれば、切断手術を受けた人や神経の病気を持つ人を補助する、新しい医療デバイスの開発つながる可能性がある。研究成果は、2020年3月20日付で『Science Advances』に掲載された。

脳活動、特に深い領域での活動を記録するための大きな課題は、組織の損傷や出血を引き起こすことなく、どのように電極を適切な位置に配置するかということだ。次に3次元空間で複雑な形状の層に分布している、多くのニューロンの活動を記録する手法も必要となる。

今回開発された手法は、人間の髪の毛の15分の1という極細マイクロワイヤーを電子デバイスと組み合わせた。ワイヤーは非常に細いため、重大な損傷を与えることなく脳の深くに配置でき、さらに任意の3D形状に変形、配置することで、2つ目の課題も解決できる。

デバイスが脳に接続されると、アクティブなニューロンからの電気信号が近くのマイクロワイヤーを伝わってシリコンチップに至り、そこでデータが処理および分析されて、脳のどの領域がアクティブであるかが示される。

デバイスの設計は、動物のサイズに応じて容易に変更することができる。例えばマウスではワイヤー数百本だが、より大型の哺乳類では10万本以上で、将来的に人間に使用するという可能性にも対応できることが、このデバイスの重要な特徴だ。

またこのデバイスを使い、脳活動を正確にモニターするのと同時に、脳の正確な領域に特定の電気信号を注入することもできるだろう。将来的には、例えば、切断手術を受けた人が義肢を制御して手を振ったり立ったりするのを助ける、脳から機械へ信号を渡すインターフェース技術につながりうる。また、運動ニューロン病など、ニューロンが損傷を受けて機能しない場合でも、脳で電気信号を生成するために使用できる可能性がある。

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New brain reading technology could help the development of brainwave-controlled devices

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