- 2020-4-28
- 技術ニュース, 機械系, 海外ニュース
- Johnny R. Wolfe, L. Neil Thurgood, Mike White, アメリカ国防総省(DOD), ミサイル防衛庁(MDA), 共通極超音速滑空体(C-HGB), 極超音速兵器, 研究・技術担当国防次官室(OUSD R&E)
アメリカ国防総省(DOD)は2020年3月19日、ハワイ州カウアイ島にある太平洋ミサイル試射場で、共通極超音速滑空体(C-HGB)の飛行試験に成功したと発表した。DODは極超音速兵器を2020年中旬にかけて配備する計画で、今回の成功は重要なマイルストーンだとしている。
C-HGBは、陸軍と海軍が、産業界や学術界とも協力して共同で開発しており、今回のテストでは目標地点へ極超音速で飛行させることに成功した。同時にミサイル防衛庁(MDA)も、敵の極超音速兵器に対抗する防衛システムの開発のために、追跡データを収集している。
極超音速兵器はマッハ5(音速の5倍)以上の速さで飛び、操作性が非常に高く、さまざまな高度で作動できる兵器。数百~数千マイル先の目標を、発射後わずか数分で攻撃する能力を備えている。C-HGBの最終的な構成は、弾頭、誘導装置、ケーブル、熱保護シールドとなる。極超音速兵器の開発はDODの最優先事項の1つで、「極超音速システムは戦闘能力に変革をもたらす」とDODの研究・技術担当国防次官室(OUSD R&E)のMike Whiteアシスタントディレクターは語る。
「このテストでは、システムに与えた追加の負荷試験もすべて処理できた。我々は設計検証をしており、極音速攻撃能力の配備に向けた次のフェーズに進む準備ができている」とJohnny R. Wolfe海軍中将は語る。L. Neil Thurgood陸軍中将も、「プロトタイプを戦場に配備するため、引き続き積極的に取り組んでいく」としている。