光を使った「水中IoT」――エネルギーとデータを同時に水中伝送するシステムの研究

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© 2020 Jose Filho

サウジアラビア・アブドラ王立科学技術大学(KAUST)は、エネルギーとデータを同時に水中の装置に伝送できるシステムを開発中だ。研究の概要は2020年1月27日、『IEEE Communications Magazine』に掲載されている。

KAUSTのチームは、継続的な電力供給が困難な水中にある電子機器にエネルギーとデータを送信するための、光波情報電力同時伝送法(simultaneous lightwave information and power transfer: SLIPT)に関する研究を行っている。

水中での音響通信と電波通信はすでに実用化されているが、どちらにも大きな欠点がある。音響通信は長距離で使用できるが、ステルス性がなく、第三者でも容易に受信できるうえ、狭い帯域幅にしかアクセスできない。電波は海水中でエネルギーを急速に失うため、浅海に使用が制限される。また、作動させるには大型装置と大量のエネルギーが必要だ。

実験では、1.5m長の水タンクを越えて、水中の温度センサーに取り付けられたソーラーパネルに充電とコマンドの送信に成功した。センサーは温度データを記録し、それをメモリカードに保存。その後、光ビームの情報が指示した時にそれをレシーバーに送信した。

次に、紅海の水が入ったタンクの底に沈められたカメラのバッテリーに対して、太陽電池パネルを介して水中の外部電源レーザー光源を使って充電を行った。1時間半ほどで完全に充電されたカメラは、レーザー送信機に対し1分のビデオをストリーミング送信した。

これらは、光線によって転送されたエネルギーを取り入れ、情報を解読し、特定の機能を実行するスタンドアロンデバイスだ。研究チームは、これを「水中IoT(internet of underwater things: IoUT)」と呼ぶ。IoUTは海でのセンシングと通信を強化する可能性があるが、実際に配備されるまでにはまだ長い道のりがあるとしている。

関連リンク

Toward Self-Powered Internet of Underwater Things Devices

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