高精度、高速、低計算量の自己干渉除去フィルタを開発――次世代無線通信技術への応用に期待 豊橋技術科学大学

豊橋技術科学大学は2020年5月11日、同大学電気・電子情報工学系の宮路祐一助教らの研究チームが自己干渉除去フィルタを開発したと発表した。次世代無線通信技術への応用が期待される。

無線通信における同じ周波数を用いた同時の送受信(帯域内全二重)には、自己干渉除去が不可欠となる。今回開発された自己干渉除去フィルタは、無線機による歪みと無線チャネルの歪みを高い精度で推定して自己干渉を除去できることに加えて、少ない計算回数で素早くフィルタの解を得ることが可能となっている。

スマートフォンなどで用いられる低コストの無線機は、基地局と比較して複雑な歪みを有している。これまでに開発された複数の歪みを考慮したフィルタは、高精度で自己干渉を除去できるものの、計算回数が多くフィルタの解を得るために長時間を要していた。このため同研究チームは、高精度、高速、低計算量を全て満たす自己干渉除去フィルタの開発に取り組むこととなった。

今後同研究チームは、開発した自己干渉除去フィルタの理論的な性能解析やフィールド実験による性能評価を計画している。また、開発したフィルタを用いることで、ドローンなどの小型移動体が連携する無線ネットワークへの適用可能性を見込む。

帯域内全二重送受信機のモデリング(上段:帯域内全二重送受信機、中段:送受信機の回路ブロックモデル、下段:5つの演算子を用いた数式モデル)

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