米陸軍、ヘリコプター発射型の無人航空機システムを開発

Jose Mejia-Betancourth/CCDC AvMC Technology Development Directorate

アメリカ陸軍戦闘能力開発本部(CCDC) Aviation & Missile Centerが、前方発射型の無人航空機システム(UAS)技術を開発し、2020年3月にアリゾナ州ユマ試験場で、ヘリコプターと地上の移動車両から無人航空機システム「ALTIUS, 600」を前方発射するデモンストレーションを実施した。

同システムの特徴は、戦術高度で前方飛行中に発射することにある。高い高度で前方飛行中のヘリコプターにおいては、機体を空中に保ち、さらに前進させるために、ローターシステムから強力なダウンウォッシュ(下向きの空気の流れ)が発生する。こうした状況でALE(Air Launched Effect, 空中発射型UAVのこと)を発射するには、ALEの格納翼を展開し、推進システムを起動させるタイミングなど、プログラミングの際に考慮しなければならない要素が多く、これらすべてを正確に把握するのが難しい。

ALTIUSは、小型リモコンを使って手動で飛行させることも、地上の管制局でプログラムして、特定の地点に誘導するように指令を出すこともできる。オレンジ色に塗られたチューブ型で、発射後に安定化すると翼が展開する。回収して再利用可能なように設計されており、少しの平地があれば着陸できる。また、小型のため戦場でも生き残りやすいが、そもそも回収不要な程度に低コストだ。

ALTIUSの究極的な目標は、リアルタイムでの情報収集だ。敵の位置を特定し、最終的には軍人を守るために使われる情報を伝達する能力を提供する。この技術は、戦略的および作戦上の距離で戦術的な効果を提供するとしている。

関連リンク

CCDC Aviation, Missile Center highlights forward-launched UAS technology

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