ソリッドステート式LiDAR向けに長距離測定と高解像度を両立する受光技術を開発――レベル4以上の高度自動運転の実現に貢献 東芝

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東芝は2020年7月7日、距離センシング技術のLiDARにて、ソリッドステート式LiDAR向けに、長距離測定と高解像度を両立する受光技術を開発したと発表した。1台の車両に対して複数のLiDARの搭載が必須となるレベル4以上の高度自動運転の実現に大きく貢献する。

自動運転に不可欠な目の役割を担うLiDARは、レーザー光を物体に反射させ、戻ってくるまでの時間を計測して距離を測る技術で、車の周辺環境をLiDARによって3D画像として把握できる。主流はレーザーと検出器を回転させて全方位を観測する機械式だが、小型化、軽量化が難しくコストも高いといった課題があり、現在は半導体技術や光学技術で機構部を置き換えるソリッドステート式が増加している。

ソリッドステート式は、回転機構を持たず、全方位ではなく検知領域が小さくなるが、小型、軽量で壊れにくく、コストを下げられ、設置場所の自由度が高い。しかし、機械式と比較して長距離測定、解像度に課題があったという。

そこで今回、ソリッドステート式LiDAR向けに新たな受光技術を開発。市販のレンズを用いたシステム構成に受光技術を実装し、高解像度を保ちながら、これまでの4倍となる200mの長距離性能を達成したという。

同社は2018年当時、機械式で世界最高となる200mの長距離測定性能を実現しているが、今回開発した技術は機械式と同レベルの長距離性能の達成となる。

高解像度と長距離測定性能は、これまで困難だった超高感度受光デバイスSiPM(Silicon Photo Multiplier)の小型化により両立。SiPMは、微かなレーザーの反射光を高感度に検出でき、LiDARの長距離測定に適した受光デバイスとなる。

これまでのSiPMは、一度光を検出した受光セルは一定時間応答できない物理上の特性があり、漏れなく光を検出するにはセルを非常に多く搭載する必要があった。そこで、受光セルが応答できない時間を短縮するため、SiPM上に受光セルを再起動させるトランジスタを搭載。少ないセル数でも効率よく光を検出できるようになり、大幅にSiPMを小型化している。小型SiPMにより、多数のSiPMを限られたパッケージ面積内に配列でき、高解像度化を図っているという。

今回開発した受光技術は、市販のレンズと組み合わせて使用でき、利用用途によって生じる複雑なカスタマイズが不要となる。乗用車、バス、作業車など多様な車種へ容易に搭載でき、ドローンやロボットへの搭載も期待できるという。

この受光技術は、1台の車両に対して複数のLiDARの搭載が必須となるレベル4以上の高度自動運転の実現に大きく貢献する。同社は、さらなる測定距離の延伸、高解像化、小型化についての研究開発を進め、2022年度までの実用化を目指す。

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