ヤマハ発動機は2021年5月19日、プラットフォーム戦略に沿ったYZF-Rシリーズの新製品となるスーパースポーツ「YZF-R7」を欧米で発売する。クロスプレーン・コンセプトに基づいて開発した689cm3エンジンを軽量フレームに搭載した。クロスプレーン・コンセプトは、慣性トルクが少なく、燃焼室のみで生み出される燃焼トルクだけを効率よく引き出す設計思想である。日本での発売は、2021年冬以降を予定している。
YZF-R7は、「Fun Master of Super Sport」をコンセプトに開発した。MT-07の基本コンポーネントをもとに、最新スーパースポーツのスタイルとスポーティなハンドリングを調和させた。幅広い技量のライダーが扱いきれるスーパースポーツを目指したモデルとなる。
扱いやすく、高揚感あるスポーティな走りをもたらすCP2(クロスプレーンの2気筒)エンジンは、2021年のMT-07と同一仕様のCP2エンジンを採用しており、2次レシオをMT-07の43/16=2.687から42/16=2.625へと最適化している。
また、MT-07系モデルでは初装備となるA&SRクラッチを採用。クラッチレバーの操作荷重を低減する。大きなバックトルクによる車体挙動への影響も抑えており、過度なエンジンブレーキ発生を抑止して走行性をサポートする。
フレームは、剛性バランスをチューニングした軽量ダイヤモンドフレームを採用。MT-07と同じ基本骨格だが、アルミ製のセンターブレースをリジッドマウントするなど各部の締付剛性を最適化し、ピボット廻りのねじり剛性を向上すると同時に全体の剛性バランスをチューニングしている。
また、倒立式フロントサスペンションの効果も重なり、入力に対するリニアな反応や切り返し時の機敏さ、ステップワークに対する応答性などスポーティな操縦性を生むポイントとなっている。
フロントサスペンションは、新設計Φ41mmインナーチューブの倒立式フロントサスペンションを採用。旋回時、制動時などで良好なフロント接地感をもたらす。減衰力とばね定数は、最適化しているという。
専用設計のリアサスペンションは、リンク式モノクロスサスペンションを採用。ショックユニットは、YZF-R7用に減衰特性、ばね定数を専用開発している。新ディメンション採用に伴いリンクを調整、MT-07同様の水平方向の配置でスペースの効率化を図り、マス集中化とコンパクト化に貢献している。
また、スポーティで伏せやすく、制動時のホールド性に優れるライディングポジションを設定。スポーティなセパレート型ハンドルは、ヒップポジションとフットレストの位置からバランスを図った絞り角/垂れ角を採用している。