偏光方式を採用、人の眼で識別できない情報を分光映像で可視化する高性能マルチスペクトルカメラシステムを開発 富士フイルム

富士フイルムは2020年7月9日、光学技術と最新の画像処理技術を結集させた高性能マルチスペクトルカメラシステムを開発したと発表した。本システムは、世界で初めて偏光方式を採用し、最大9つの波長に分光した映像(分光映像)を同時に高精細に撮影し、リアルタイムに表示できる。

マルチスペクトルカメラは、対象物から反射された特定の波長の光を捉え、人の眼では識別できない情報を可視化するものだ。一般的なカメラや熟練作業者による目視よりも高効率、高精度に検査/観察できる。例えば、製造ラインでは、異物検出に最適な波長の光を映像化し、品質の検査が可能。また農業の現場では、植物の光合成に不可欠な葉緑素が強く反射する波長の光を捉えた映像をモニターし、農作物の生育を観察できる。

そこで富士フイルムは、4K/8K対応放送用レンズをはじめとする幅広いレンズ製品の開発で培った光学技術と、デジタルカメラ「GFX/Xシリーズ」の開発で培った最先端の画像処理技術を駆使し、偏光方式を採用したマルチスペクトルカメラシステムを開発した。

同社のマルチスペクトルカメラシステムは、特定の振動方向の光を透過させる「偏光フィルター」と特定の波長の光を透過させる「光学バンドパスフィルター」の機能を、独自開発のフィルターに搭載。3枚の独自開発フィルターで、最大9波長に分光するとともに、各波長の光を特定の振動方向に偏光させる。

フィルターを透過した各波長の光が持つ偏光情報は、偏光イメージセンサーで取得。これを最先端の画像処理機能により映像化し、高解像・高フレームレートを実現する。また、検査の対象物に応じて最適な波長の光学バンドパスフィルターを選択して撮影することもできる。

 

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