透明で導電性のあるコーティング材構造を開発 ミシガン大

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Photo by Robert Coelius/Michigan Engineering

米ミシガン大学は、2020年7月6日、透過性を高めつつ導電性を持たせることができるコーティング材構造を開発したと発表した。光が通過できる誘電体に挟まれた導電性金属の層で構成される反射防止層をプラスチック上に作製することを提案し、導電率と透明度の最適なバランスを探ったという。研究成果は『M Nature Communications』に2020年7月6日付で発表されている。

研究者らは、先行研究で非常に薄い銀の層をプラスチックシートに追加して導電性を持たせることが可能であることを実証していた。しかし、銀の層を追加すると光の透過率は約10%下がるという課題が残っていた。プラスチックの光透過率はガラスの光透過率より少し低いが、反射防止コーティングをすることで透明度を改善できることから、導電性のある反射防止コーティングの作製を目標としたという。

コーティング層に用いる誘電体には、酸化アルミニウムと酸化亜鉛を選択。一般に、プラスチックと金属との間に挟まれる材料の屈折率は高いほうが、そして、光源側の材料の屈折率は低いほうが良い。そこで、プラスチックよりも光の反射が少ない酸化アルミニウムを光源側に配置した。その次の層には微量の銅を含む銀から成る厚さ6.5nmの金属層を、そして、最後に酸化亜鉛の層を配置して挟むという3層構造だ。酸化亜鉛はプラスチック表面に光を導く役割を持つという。逆側でプラスチックが空気と接するところでは一部の光は反射されてしまうが、 全体では透過率88.4%を達成。プラスチックのみの場合の透過率88.1%から改善が見られた。

研究者らは、誘電体-金属-誘電体というサンドイッチ構造を用いて、高い透過率を達成する方法についても具体的に説明している。ポイントは、適切な誘電体を選択すること、そして、金属層の反射を抑制するためにそれぞれの誘電体層に適した厚さを見つけることだという。

研究論文では、提案されたサンドイッチ構造により、透過性を保ちつつ目標の導電率も達成できることが理論的に説明されており、同分野の研究者らの間でプラスチック単体の場合よりも高い光の透過性を備えたフレキシブルで透明性が高い導体の設計開発が進むことが期待される。

研究チームを率いたJay Guo教授はこの技術をさらに推し進めており、窓に取りつける太陽電池に透明導体を使用するプロジェクトにも参加している。太陽電池で赤外光を吸収して電気に変換する一方、可視スペクトルは通過させて室内を明るくするという。また、Guo教授はインタラクティブな大型パネルディスプレイや、車のフロントガラスへの利用も提案している。

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