従来の技術面接では仕事に必要な能力ではなく、ストレス対処力を評価しているに過ぎない

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Photo credit: Christina Morillo.

企業の採用面接方法はさまざまだが、ソフトウェアエンジニアリング部門の典型的な技術面接として「ホワイトボードを使ったコーディング試験」というものがある。面接官の前で、求職者が与えられた課題の解決策としてホワイトボードにコードを書き、プロセスの各段階を説明するというものだ。

この方法に対して、ノースカロライナ州立大学とマイクロソフトの研究チームは、企業が優秀なプログラマーを獲得する機会を逃しているかもしれないと指摘している。「調査によれば、多くの有能な求職者が、人前でのホワイトボード作業に慣れていないために不合格になっている」と、ノースカロライナ州立大学のChris Parnin助教授は語る。本来、問題解決能力を評価するためのはずの面接が、コーディング能力ではなく、緊張や不安に対して対処できるかどうかという能力を評価しているというのだ。

研究チームは、面接プロセスが求職者のパフォーマンスに与える影響を調べるため、コンピューターサイエンスを専攻する48人の大学生および大学院生を対象に、「従来型」「プライベート型」に分けて面接を行った。従来型の面接では、面接官の目の前でホワイトボードを使って問題を解き、説明する。プライベート型でもホワイトボードを使って問題を解くが、室内に面接官は不在で、声に出して説明する必要もない。

面接での出来ばえをコーディングの正確さと効率性で評価した結果、プライベート型面接の参加者のほうが2倍良い結果となった。従来型の面接は、求職者に不必要なストレスを与えてパフォーマンスを低下させてしまい、本来はスキルの高いエンジニアを見逃している可能性があると分析している。

また、従来型の面接は、特定のグループを排除する可能性もあるようだ。サンプル数が少ないため確実な結論は出せないとしながらも、今回の調査では、従来型の面接を受けた女性は全員不合格で、プライベート型の面接を受けた女性は全員合格したという結果が示された。「面接プロセスの形式そのものが、実質的に求職者の中のある種の人々を排除しているかもしれないというのは厄介だ」と、Parnin助教授は述べている。

さらに、研究チームは別の問題も指摘している。現状では、多くの求職者が数週間から数カ月を面接対策に費やしている。「この技術面接は仕事の本質とはほとんど関係がないのに、面接対策に時間を割ける人のほうが非常に有利になっている」と、研究チームのMahnaz Behroozi氏は語る。

調査結果は、2020年11月8日~11月13日にオンラインで開催予定の「ACM Joint European Software Engineering Conference and Symposium on the Foundations of Software Engineering(ESEC/FSE) 2020」で発表される。

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