折り紙をヒントに、わずか1cmのプログラム可能な超小型ロボットを開発

ミシガン大学は、わずか1cmのマイクロボットを設計、製作、作動させるための新手法を開発した。この研究は2020年7月30日、『Advanced Functional Materials』に掲載された。

これまで、ほとんどの超小型ロボットは動きが限られており、有用なタスクを実行する能力が妨げられていた。例えば、より大きく折りたたむほど、マイクロボットはより複雑な形状を形成できる。

研究チームは今回初めて、高度な折り紙の折りたたみ機能を、1つの統合されたマイクロボットシステムに組み込んだ。折りたたむ速度が1秒間に最大80回と速く、さまざまな動作を完了できる。また、90°以上に折りたためる上、弾性的かつ可塑的に機能し、元の形状に戻ることができる。アクチュエータとして機能する金の層とポリマーの層を利用し、従来のマイクロボットと異なり、作動するために外部からの刺激を必要としない。

電流が金の層を通過すると熱が発生し、マイクロボットの動きを制御するためにその熱を使用する。システムを加熱することで、最初の折りたたみを作動させ、次に冷やすことによって可逆的に元に戻す。可塑的に(不可逆に)折りたたむためにはシステムを過熱させる。つまり、折りたたみ方をプログラムし、静止する場所を変えることが可能だ。また、1つの形状を形成してタスクを完了し、その後、追加のタスクのために二番目の形状に再構成することもできる。

この技術によって、多自由度の形状変形が制御可能となり、複雑な運動や高度な機能を得られる。将来的には医療機器として体内の傷を修復したり、災害時のインフラ調査のため倒壊した建物を調べたり、生存者を見つけたりするなど、さまざまな分野で使用できる可能性がある。

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