世界初となる流動溶融銅用酸素センサーを開発――高機能無酸素銅MiDIPの品質向上 昭和電線ケーブルシステムとTYK

昭和電線ケーブルシステム(CS)は2020年9月2日、TYKと共同で、流動溶融銅中に含まれる極微量酸素濃度を測定できる酸素センサーを開発したと発表した。世界で初めて流動溶融銅中における低酸素濃度の測定を長時間運転できることを実証したという。

今回、部分安定化ジルコニア(PSZ)式高温用濃淡電池型酸素センサーと呼ばれる酸素センサーを開発。連続かつ長時間、酸素濃度1ppm以下の精度で流動溶融銅中の極微量酸素を測定できる。ラボレベルでの検証を経て実機での検証に成功したことにより、実用化への目処が立った。

開発した酸素センサは、CS三重事業所に設置している「高機能無酸素銅MiDIP(以下、MiDIP)」を製造する装置である「ディップ・フォーミング・システム」に組み込んで長期実装試験を実施。設計を適正化し、試運転あるいは実運用時にて再現性を確認していき、年内の実用化を目指す。ディップ・フォーミング・システムに開発した酸素センサーが導入されることで、酸素濃度を定量的かつリアルタイムに把握できるため、MiDIPの低酸素状態の安定化に貢献する。

高機能無酸素銅MiDIP外観(荒引銅線)

高機能無酸素銅MiDIP外観(伸銅線)

ディップ・フォーミング・システム概略図

酸素センサーの実用化により、CSのMiDIPの品質向上を図って中期経営計画で掲げている50%増産に寄与する他、多くのユーザーへの安定供給、車載分野での販売量拡大を目指す。また、実用化によってエネルギー消費や発生二酸化炭素(CO2)の削減にも貢献するという。

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