製造技術職の志望動機の書き方と例文|経験者・未経験者別【履歴書】

製造技術職に就くことは、日本のものづくりの現場に飛び込むことを意味します。働き方次第では、多くの経験を積み、知識を身につけられるでしょう。

しかし、履歴書を書こうと思った際に、「製造技術職の志望動機欄には、何を書けばよいのだろう?」と困ってしまう方も少なくありません。漠然と“ものづくりに関わりたい”という動機を記載するのではなく、ご自身だからこその想いを履歴書へ記しましょう。経験者・未経験者別の例文も用意していますので、ぜひご覧ください。(fabcross for エンジニア編集部)

製造技術の基礎知識

まずは製造技術の定義や、混同されやすい生産技術という仕事との違いについて解説します。

製造技術とは

製造技術とは、製品を製造する技術を考える仕事です。製品に関して、どのような方法を採用すれば美しく仕上がるのか、どのような技術を使えば効率的に作れるのかを考察します。製造の現場では、欠かせない仕事です。

製造現場では多くの人が製造技術という仕事に携わっています。広義の上では、実際に加工機を扱う職人も、製造技術に関連した職業のひとつです。

製造技術と生産技術の違い

製造技術と似た職業のひとつが生産技術です。同じ現場で働くこともあるため混同されることもありますが、厳密には仕事の範囲が異なります。一般的には、生産技術の仕事のほうが広範囲です。

生産技術は、製品を効率良く製造する体制を設計・構築する仕事を指します。具体的には、生産設備の開発・導入や生産工程の設計、人員配置などが業務の例です。設備や工程といった広い枠組みで生産効率を高める仕事を行います。対して、製造技術は製造方法の開発、改善によって生産効率を高めます。

分かりやすく、具体例を出してみましょう。たとえば、ある製品を作るとき。製造技術のエンジニアが考えるのは、製品の形状はもちろん、荷重のかけ方や圧下のスピード、焼き入れの温度・時間、急冷方法などです。いかにも“技術者”といったイメージの思考と言えるでしょう。

一方、生産技術者は上記の製品をどうすればより速く・安く・大量に作れるかを考えます。生産リードタイムを最短化するための技術とも言えるでしょう。

このように“ものづくり”のイメージに近いのは製造技術です。しかし厳密には上記のように定義されていますが、企業によって生産技術の捉え方はまちまちです。企業によっては、製造技術と生産技術を区別していないこともあります。その場合、製造・生産技術者は、製品の総合的な“作り方”について考えなくてはなりません。

※本記事においては、製造技術と生産技術を区別し説明を行います。

【履歴書】製造技術職の志望動機の書き方とポイント

履歴書の志望動機欄には書き方のポイントがあります。以下では、製造技術職に応募する際の志望動機の書き方・ポイントについてお話しします。

志望動機の基本の書き方

まずは、一般的な志望動機の書き方についておさらいしておきましょう。応募する職種にかかわらず、ポイントになるのは以下の流れです。

1. 結論
2. 志望理由
3. 入社後の目標
4. 締め(結論)

それぞれについて詳しく解説していきましょう。

結論とは、入社したい意思と志望動機を指します。ここで重要なのは、「長くなりすぎないこと」です。この動機に至った理由などは、後から説明がされます。ここではひと言、簡潔に示すよう努めましょう。

次に志望理由です。ここで述べる理由が、はじめの志望動機に説得力を持たせます。ある程度具体性を持って語るようにしましょう。なお、その志望動機に至った具体的なエピソードを交えるのも効果的です。

入社後の目標では、入社後にやりたいことは将来的なビジョンを書きます。会社は応募者の将来性をチェックしています。入社がゴールではなく、入社後に何をしてくれるのかに期待をかけるものです。

締めにもう一度入社の意思を記載して完成です。

志望動機を書くポイント

志望動機を書く上で意識していただきたいポイントは、「その職業・企業へ応募している理由に正当性を持たせること」です。

製造技術職に応募する場合は、なぜ製造技術の仕事をしたいのか、その業界や会社でなければいけないのか、など志望する理由を明確にしましょう。募集している会社が複数ある中で、その企業に応募している根拠を説明する必要があります。説得力のある説明のためには、業界や志望企業に対する深い理解が求められるでしょう。その上で自分の目指す将来像と企業の経営理念やビジョン、仕事内容などが一致していることを書くと説得力が増します。

もうひとつ大切なポイントが「自分を採用するメリットを記載すること」です。自分が保有しているスキルや知識がどのように仕事へ活かせるのか、貢献できるのかを説明しましょう。理系の学校を出ている、前職が生産技術職だった、など製造技術職に関連した話題があれば積極的に盛り込んでください。未経験者の場合も、前職で培ったことをどのように製造技術の仕事へと反映できるか示すと効果的です。

【履歴書】製造技術の志望動機の例文

志望動機のイメージを明確にしていただくために、製造技術の志望動機の例文をいくつかご紹介します。

経験者向けの志望動機

例文(1)
貴社で製造技術の仕事に就きたいと考えています。前職の自動車製造工場ではエンジニアとして溶接を担当していました。いただいた図面から内容を把握し、自分が手掛けた製品が最終的にはお客様のもとへ届くことに喜びを感じていました。グローバル展開を積極的に行っている貴社で、より多くの人に製品を届けるエンジニアになりたいと考えています。

例文(2)
貴社で製造技術に携わることを希望しています。前職は大規模な製造ラインを担当しており、製品の種類は違うものの、同規模の貴社であれば自分の経験を活かせると考えております。将来的には、従業員のマネージメントや生産管理などの知識を深め、ステップアップしていきたいです。貴社で製造技術職として仕事ができることを楽しみにしております。

未経験者向けの志望動機

例文(1)
製造技術の仕事がしたく応募しました。同業界の経験はありませんが、幼いころから細かな作業が好きです。電子工作を趣味で続けており、基本的な技術や知識の理解はあります。精密で根気強い作業が要求される御社のラインで活躍し、生産効率の向上に貢献したいです。採用いただいた際は精一杯頑張りますのでよろしくお願いいたします。

例文(2)
貴社の製造現場で働いてみたいと考えました。学生時代に運動部で培った体力は、常に可動している御社のラインでも活かせると考えています。また、前職は顧客・同僚などコミュニケーションが豊富な現場だったため、その経験も活かし、将来的には後進の指導員やとりまとめを行いたいです。現場の生産効率向上のため努力をしていきますのでよろしくお願いいたします。

ものづくりのスタートは製造技術職から

ものづくり業界に足を踏み入れる第一歩として、製造技術職は最適です。働きながら資格取得などに励めば、キャリアアップも目指せるでしょう。

なお、製造業の求人倍率は全体に高く、供給が足りていない状況が続いています。技術職も例外ではなく、売り手市場が継続中。つまり、今のうちから実務を積んでおけば、同世代に大きな差をつけられます。製造技術職にいち早く就き、キャリアのスタートダッシュを切りましょう。

取材協力先

メイテックネクスト

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