高出力の軽金属衝撃発電複合材料を開発――鉄コバルト系磁歪ワイヤを撚ってアルミニウム合金に埋め込む 東北大と山形大

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東北大学は2020年11月9日、山形大学と共同で、磁歪ワイヤとアルミ合金からなる高出力で発電する衝撃発電複合材料を開発したと発表した。

今後IoTがますます普及していくのに伴い、IoT用センサーの数も膨大になり、センサーで使用される電池に関する環境や資源、コスト面での社会問題が大きくなる。そのため振動や衝撃などの自然界環境に存在する未利用の運動エネルギーから電気エネルギーを回収する環境発電が注目されている。

今回の研究では2本の鉄コバルト系磁歪ワイヤーを撚ってアルミニウム合金に埋め込む技術を開発。この「撚り構造型」衝撃発電複合材料が、1回の衝撃荷重で1cm3あたり約0.2Vの出力を得ることを確認した。これは撚り構造型ではない衝撃発電複合材料と比較して、出力電圧が4倍になるという。また10倍以上の電力が期待され、バイアス磁場の方向を工夫することでさらに出力が増大するという。今回出力が確認できた電力は、IoT向けの無線センサー用電源としては十分だという。なお同大学によると同様の技術は世界初となる。

今回埋め込んだ鉄コバルトワイヤは、東北特殊鋼の協力により製作された直径0.5mmのものであり、鋳型と治具の材料/形状を工夫したことにより、数本のワイヤを直線状に立てたままでアルミニウムの鋳造に成功した。また、作製時の温度/時間などの作成条件について研究を重ね、強度に大きな影響を与える鉄コバルトワイヤとアルミニウム合金母材の界面制御を可能とした。

従来の逆磁歪効果を利用した振動/衝撃発電複合材料はエポキシ系母材に限られていた。今回開発した撚り構造型衝撃発電複合材料は金属母材であり、これまでは難しかった大きな衝撃過重下や高温環境下でもエネルギー回収が可能になる。例えば強度が要求されるアルミニウム合金製の自動車部品や、高温環境で使用される輸送機器のエンジン駆動部などでの応用が期待されるという。

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