川崎重工は2020年11月23日、AI(人工知能)を活用したライダーサポートシステムの実証実験を開始したと発表した。
同システムは、スマートフォンを介してクラウドサービスと連携することで双方向通信を行う仕組みとなっている。具体的には、音声による双方向通信やライディングログのビジュアル化などが新たな機能として搭載されている。
音声による双方向通信としては、音声による入力操作やモーターサイクルからの音声による情報提供が可能となっている。従来は、ライダーがボタンを操作して液晶ディスプレイの表示を切り替え、各種情報を確認する必要があった。
インターネット上の情報が必要となった際は、モーターサイクルが情報を取得して音声で回答する。ライダーは、航続可能距離や目的地の天候といった情報を容易に音声で得ることができる。
また、従来グラフや数値で表示されていたライディングログが、よりリアルに視覚化された。スピードやバンク角といった走行中に実際に記録されたデータが、走行ルートマップとあわせてスマートフォン上に3Dで表示される。
同システムの社内実験は発表時点で最終段階まで進んでおり、同社はシステムを公道で実際に運用し、実用性を確認する実証実験を日本国内で開始している。サービス開始後は、既に発売されている同社の一部のモーターサイクルでも同システムを利用できる予定となっている。
同社は、今後もAIの活用をさらに推し進め、次世代モーターサイクルの開発を進める。具体的には、モーターサイクルがライダーと対話して運転状況やライダーの意思を認識することで、ライダーの個性を反映したマシンに進化する機能などが想定されている。