伸縮性センサーで圧力、曲げ、伸びなどを検出し「触覚」をソフトロボットに持たせる――ARやVRへの応用も視野に

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米コーネル大学は、低コストのLEDと染料を組み合わせた光ファイバーセンサーを作製し、そのセンサーを用いて圧力、曲げ、ひずみなどの変形を検出できる伸縮性のある「皮膚」を開発した。このセンサーはソフトロボットシステムだけでなく、拡張現実(AR)技術を使用する人にも、ほ乳類が自然界を渡り歩いていくために欠かせない豊かな触覚を感じる能力を与える可能性がある。この研究は、2020年11月13日付で『Science』に掲載された。

今回の開発は、湿度、温度、ひずみの変化など複数の特性を識別する方法として、わずかな波長シフトを検出するシリカベースの分散型光ファイバーセンサーからインスピレーションを得ている。しかし、シリカファイバーは柔らかく伸縮性のある電子機器には適合しない。また、ソフトマターは非常に複雑な組み合わせで変形し、同時に多くの変形が発生するので、分離できるセンサーが必要だった。

そこで、研究チームはマルチモーダルセンシング用の伸縮可能なライトガイド(SLIMS)を作製した。長いチューブの中には一対のポリウレタンエラストマーコアが含まれており、一方のコアは透明で、もう一方のコアは複数箇所に吸収染料を充てんしLEDと接続している。それぞれのコアはRGBカラーセンサーチップと結合されており、光の光路の幾何学的変化を記録する。

デュアルコア設計により、空間エンコーダーとして機能する染料を点灯させることで、センサーが圧力、曲げ、伸長など多様な変形を検出できる出力数を増やしている。そして、この技術を、さまざまな変形を分離し、その正確な位置と大きさを特定できる数学モデルと組み合わせた。

分散型光ファイバーセンサーには高解像度の検出装置が必要だが、SLIMSセンサーは低解像度で小型のオプトエレクトロニクスで作動可能だ。このため、SLIMSセンサーはより低コストで、より製造しやすくなり、小型システムに簡単に統合できるようになる。例えば、ロボットの手に組み込んで滑りを検出できるようにすることもできる。

今回、研究チームは、手のそれぞれの指に沿ってSLIMSセンサーが伸びている3Dプリントグローブを設計した。グローブはリチウム電池で動き、Bluetoothを搭載しているため、今回設計された基本ソフトウェアにデータを送信して、グローブの動きや変形をリアルタイムで再構築できる。

現在、センシングは主に視覚によって行われているが、この技術は、視覚を使って触覚を測定している。そのため、拡張性のある手法のうち最も便利で実用的な方法だという。

現在、研究チームは、理学療法やスポーツ医学への応用を視野に入れて、この技術の商業化に取り組んでいる。また、SLIMSセンサーが仮想現実(VR)体験や拡張現実(AR)体験をどのように向上できるかについても検討している。

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