- 2016-10-28
- ニュース, 化学・素材系
- NEDO, カネカ, 結晶シリコン太陽電池モジュール
カネカは2016年10月27日、世界最高の変換効率24.37%を発揮する結晶シリコン太陽電池モジュールを開発し、NEDOが太陽光発電開発戦略で掲げる発電コスト削減目標実現の目安の1つであるモジュール変換効率22%を上回ったと発表した。
NEDOが掲げる発電コスト削減目標は、2020年に業務用電力価格並の14円/kWh、2030年に従来型火力発電並の7円/kWhだ。カネカはすでに同目標の達成に向けた取り組みの中で、世界最高の変換効率26.33%を備えるヘテロ接合バックコンタクト型結晶シリコン太陽電池セルを180cm2の実用サイズで完成させている。
一方、今回は1万3177cm2の結晶シリコン太陽電池モジュールを作製し、モジュールとして世界最高の変換効率となる24.37%を達成した。開発された太陽電池モジュールは、ヘテロ接合バックコンタクト型の結晶シリコン太陽電池セル108枚を使用。さらに、モジュール内での抵抗損失を最小化するためのセル間配線技術や、モジュールに照射された光の収集効率を高める技術などを採用している。
2020年に14円/kWhという発電コスト削減目標の実現は、モジュール変換効率22%が目安の1つだ。世界で最も普及している結晶シリコン太陽電池モジュールでこの目安を上回ったことは、今後の発電コスト削減目標の達成への大きな前進となる。
カネカは今後も引き続き、発電コスト削減目標の達成に向けて、太陽電池の変換効率向上に取り組んでいく予定だ。また、今回の成果を活用した高効率太陽電池の製品化を進めていくとしている。