矢野経済研究所は2020年12月25日、産業用センサー(環境センシング関連)に関する世界市場の調査結果を発表した。
同調査によると、2020年の同市場規模は前年比92.3%の1兆1360億円に縮小するが、翌年以降は拡大傾向に復調し、2024年には1兆4540億円規模に達すると予測している。2020年のセンサー種類別構成比は、ガスセンサーが最も多く全体の約35%。その後磁気センサー、UVセンサー、環境光/調光センサー、微粒子計測/PMセンサー、湿度センサーが続く。
今後は、環境意識の高まりによる環境センシングへの需要拡大や、IoT関連技術や車載用、産業用機器の高性能化などの要因により、2019年から2024年までのCAGR(年平均成長率)が3.4%で成長する見込みだ。種類別では磁気センサーが同期間CAGR5.6%と最も成長率が高くなると見られる。
現在最も構成比が高いガスセンサーは、同期間のCAGRが2.0%と当面種類別では成長率が最も低くなる。しかし、具体的な地球温暖化ガス削減目標を掲げたパリ協定などの影響によって車載用や産業機械用など向けのCO2センサーや排ガス用酸素センサー、NOXセンサーの需要が拡大。大きな市場を形成しつつあるという。
その他トピックスとして車載用磁気センサーの動向に注目している。同型のセンサーは車1台あたり60個以上搭載しているという。その内訳は、ホール式センサーが59.2%(約610億円)、MR式センサーが26.2%(約270億円)、リードスイッチが10.7%(約110億円)、フラックスゲート式センサーが3.9%(約40億円)だ。今後もリードスイッチ以外の非接触型のタイプが電装化率進展において重要な役割を果たし、特にMRセンサーのシェアが漸増すると予測している。