砲弾用固体燃料ラムジェットエンジンの稼働試験に成功――長距離精密射撃に対応

米軍需産業大手Northrop Grummanは2020年11月30日、固体燃料ラムジェット(SFRJ)戦術エンジン構成の複数段階の試験に成功したと発表した。これは、米陸軍の重要な優先事項である長距離精密砲撃を可能にする技術の1つだ。

現在米陸軍の持つ155mm口径の射程延長砲弾は、射程40~57kmの「M982 Excalibur」。折り畳み式の滑空翼を持つGPS誘導弾で、標的へ向かう弾道飛行の頂点から滑空することができる。米陸軍は155mm砲弾の更なる射程延長を求めており、「XM1155 ERAP(射程延長砲弾)」プロジェクトを開始した。XM1155 ERAPは155mm口径のラムジェット推進誘導弾で、100kmの射程が求められている。

SFRJの試験は、XM1155 ERAPプロジェクトの一環として行われたものだ。試験では砲からの発射時安全性や性能予測を検証し、弾体の射程を100km以上に延長する可能性を実証したという。

Northrop Grummanのミサイル製品担当副社長Pat Nolan氏は、「固体燃料ラムジェットの厳格な試験が完了したことは、この技術が非常に厳しい砲撃状況に耐えるほどに成熟し、野戦砲の射程を高い信頼度で大幅に延ばし得ることを示している」と、述べている。

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Northrop Grumman Completes Successful Testing on Solid Fuel Ramjet Concept for the US Army

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