より効率的なメタン生成方法の概念実証を発表――火星でのロケット燃料用メタン生成実現へ道を開くか

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米カリフォルニア大学アーバイン校は、2021年1月4日、理論上、火星の表面でメタンベースのロケット燃料をより効率的に生成できる方法を発見したと発表した。これにより、火星から地球への帰還がさらに実現可能なものになるという。

火星への旅に伴う多くの課題の中で最も差し迫った問題の1つは、宇宙船が地球へ戻るために必要な燃料をどのようにして入手するかだ。メタンベースの燃料を火星上で生成するというプロセスは、当初、Elon Musk氏と彼が創業した米SpaceXによって理論化された。

「サバティエ・プロセス」と呼ばれる処理過程では20世紀初頭に発見されたサバティエ反応を利用しており、太陽光を利用する設備で発電して、二酸化炭素を電気分解し、火星で見つかっている氷から生成した水と混合させて、メタンを生成する。現在、このプロセスは、国際宇宙ステーションで活用されており、第1段階では水を電気分解して乗組員たちの生命維持に必要な酸素を生成する。第2段階で、乗組員たちが吐き出す二酸化炭素を第1段階で酸素とともに生成される水素と反応させて水とメタンを生成する。

今回の研究は、この2段階プロセスを、単原子亜鉛触媒によって、よりコンパクトなポータブルデバイスを使用する1段階の反応にまとめるものだ。

今回開発された方法では、構造的に分散した亜鉛を人工酵素として使用し、二酸化炭素に触媒作用を及ぼして、プロセスを初期化する。この方法では、従来よりはるかに狭いスペースで、火星表面で発見されている物質と類似の材料を使い、火星表面と同様の条件下で、効率的にメタンを生成することができるという。

この新しいプロセスは、水を水素にするプロセスをバイパスし、その代わりに高い選択性で二酸化炭素を効率的にメタンに変換するもので、画期的な発見といえる。

ただし、このプロセスは研究者らのラボでテストされ証明されてはいるが、現実世界や惑星上の条件ではまだテストされていない概念実証の段階にすぎず、実現するにはほど遠いとしている。

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Making methane on Mars

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