- 2020-7-16
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- Scientific Reports, テルアビブ大学, マイケル・ファラデー, 再生可能エネルギー, 学術, 放電(雷), 水蒸気
現在利用されている再生可能エネルギー源では、風力や太陽光、水力、地熱、バイオマスによるものが主要なものだ。今回テルアビブ大学の研究チームは、大気中の水蒸気が将来的に重要な再生可能なエネルギー源となる可能性を見出した。相対湿度が60%を超えると電荷が発生する金属の組み合わせを見出したもので、研究成果は2020年5月6日、『Scientific Reports』に掲載された。
水から電気が発生することは、自然に起こる現象としてよく知られている。雷を発生する雷雲は、水蒸気、水滴、氷という、異なる相の水のみによって構成されており、雲が20分かけて発達すると、水滴から約0.5マイル(約800m)の長さの巨大な放電(雷)が起こる。19世紀にはイギリスの物理学者マイケル・ファラデーが、水滴が摩擦によって金属表面を帯電させることを発見した。近年の研究では、特定の金属が湿気に曝されると、自然に電荷を蓄積することが示されている。
研究チームは、水分子と金属表面の相互作用で電気が発生するという現象に着目し、実験によってこの帯電を強めるパラメータを特定した。互いに絶縁された2つの異なる金属を用い、一方を接地したうえで、相対湿度と温度の条件を変えながら、電位差を測定するという実験を行った。
空気が乾燥していると金属に電位差は生じず、一部の金属は相対湿度が高くても影響を受けなかった。ところが亜鉛やステンレス鋼を使った場合、相対湿度が60%を超えると電荷を獲得し、コンデンサを電圧1Vで充電できることが分かった。この金属でも湿度レベルを60%未満に下げると電圧は消えた。
さらに屋外実験によって、この現象が自然の湿度環境下でも同様に有効であることが示された。空気の相対湿度が60%を超えるというのは、ほとんどの熱帯の国では毎日のことだ。この仕組みをスケールアップできれば、相対湿度が高い地域や時間帯での低電圧電力源として利用でき、再生可能エネルギー源としての実用化につながる可能性がある。
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