Northrop Grumman、新型固体ロケットモーターの地上燃焼試験に成功――月への貨物運搬用ロケットに装備予定

米Northrop Grummanは、2021年1月21日、米ユタ州プロモントリーの試験施設で、固体燃料ロケットモーター「GEM 63XL」の地上試験を実施し成功したと発表した。

GEM 63XLは、米Lockheed Martinの宇宙部門とボーイングのボーイング防衛・宇宙・セキュリティ(BDS)部門の合弁事業であるUnited Launch Alliance(ULA)が開発するロケット「Vulcan Centaur」に装備される新型固体ロケットモーターだ。Vulcan Centaurは2021年中に月に貨物を運ぶ打ち上げが計画されている。

従来のGEM 63を拡張したGEM 63XLは全長2.197mで、先端部のノーズコーンは従来の丸みを帯びたデザインからとがった形のデザインに変更されている。GEM 63はノズル出口直径が1.47m、推進剤質量は44.087tだったが、GEM-63XLのノズル出口直径は1.6m、推進剤質量は47.853tだ。

2020年8月13日に実施された初の地上試験は低温環境下での性能を検証するものだったが、今回の地上試験では、モーターを約90秒間燃焼して性能検証が行われ、約44万9000ポンド(約204t)の推力を発生させたという。さらに、高温環境下でのモーターの内部断熱材、推進剤の粒度、弾道性、ノズル性能も検証された。

Northrop Grummanの推進システム担当部長のCharlie Precourt氏は、2020年8月に実施された初の地上試験の際に「GEM 63XLは、GEM 63と比較して推力と性能が15~20%向上しています」と語っている。

Valcan CentaurはGEM 63XLを最大6本装備可能で、地球低軌道(LEO)へペイロード1万8500~2万7200kgを、静止トランスファー軌道(GTO)へはペイロード7600~1万4400kgを運ぶことができる。GEM 63の設計を進化させたGEM 63XLは重量物運搬ミッションの役割を果たしていくことになるだろう。

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