高耐熱性と高強度を両立した炭素繊維プリプレグを開発――シアネートエステル系樹脂をベースレジンに使用 三菱ケミカル

三菱ケミカルは2021年3月17日、高耐熱性と高強度を両立したシアネートエステル系の炭素繊維プリプレグを開発したと発表した。250℃以上の耐熱性と、しなやかさや高い靭性を両立している。

航空機や自動車などのモビリティ用途で、軽さと強度を兼ね備える炭素繊維複合材料(CFRP)の利用が進むと見込まれているが、一般的なCFRPは、耐熱性と強度/加工特性がトレードオフの関係にある。

今回開発したプリプレグは、同社の強みである原料/触媒の組み合わせ技術を用いて新開発したシアネートエステル系樹脂をベースレジンに用いており、250℃以上の耐熱性と、炭素繊維の持つしなやかさや高い靭性を両立している。また、一般的なエポキシ樹脂ベースのCFRPと同じ型で硬化でき、これまでのシアネートエステル系樹脂に比べて保存安定性に優れ、加工特性も良好だという。

今回開発したプリプレグは、既にレーシングカーのエンジン周辺のCFRP部材として使用されている。今後、自動車用途に加え、高温環境で使用されるロボットなどの産業用途や航空機用途、宇宙用途等への販売も進めていく。

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