UCSD、ウェアラブルでオールインワンのヘルスモニターを実現するスキンパッチを開発

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カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の研究チームは、首に貼るだけで、血糖値や乳酸などの代謝パラメータと、血圧と心拍数の血行動態パラメータの両方を同時にモニタリングできる柔らかくて伸縮性のあるパッチを開発した。研究の詳細は、『Nature Biomedical Engineering』誌に2021年2月15日付で公開されている。

開発したパッチは、切手1枚ほどの大きさの中に異なる3つのセンサーが組み込まれている。中央に配置された血圧センサーで血圧と心拍数を測定し、左の電気化学センサーが血糖値を、右の電気化学センサーが乳酸、カフェイン、アルコールのいずれかを測定する。その結果、3つのパラメータをリアルタイムで同時モニタリングできる。

今回の研究は、UCSDウェアラブルセンサーセンターがこれまでに開発した、複数の信号を同時モニタリングするウェアラブルデバイスと体の深部で血圧をモニターする電子皮膚パッチという2つの研究成果を融合したものだ。

血圧センサーは、小型の超音波トランスデューサでできており、トランスデューサが発振し、動脈が跳ね返した超音波を検出して、血圧の測定値に変換する。乳酸、カフェイン、アルコールを感知するセンサーは、汗に含まれる化学物質を検出することでモニタリングする。血糖値センサーでは、微弱な電流を流すことでイオンフォレシスを誘導し、組織液を採取して測定する。

小さなプラットフォーム上に3つのセンサーを配置するパッチの開発における課題の一つは、センサー間の干渉を排除することだった。研究チームは、センサー間の最適な間隔を模索し、1cmあればうまくいくことを発見した。また、それぞれのセンサーに使われている液体ゲルが流出して他のセンサーに影響を与えることを防ぐために、血圧センサーには固体の超音波ゲルを使用した。

今回モニタリングに採用した代謝パラメータは、血圧に影響を与えることが知られている。そのため血圧と同時モニタリングすることで、血圧が上昇した原因がカフェインやアルコールの摂取かどうかを知ることができる。

研究チームは、被験者を募り、開発したパッチによる測定値と、血圧計や血糖測定器など一般的なモニタリング機器で測定した値を比較した。自転車運動、高糖質の食事、飲酒、カフェイン入り飲料の摂取をして測定したところ、パッチの測定値と一般的なモニタリング機器の測定値はほぼ一致した。

定期的に自身の健康モニタリングをする必要がある高血圧や糖尿病などの患者や、継続的モニタリングが必要な集中治療室の患者にとって、非侵襲的に複数のパラメータを測定できるパッチ型センサーは有用だ。

研究チームは、目下のところ、センサー数の増加やセンサー部品の小型化に取り組んでいる。また、現在は測定値を表示するために電源と外部モニターが必要とするが、将来的にはパッチ一つにすべてを統合する完全ワイヤレス化を目指している。

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