大型海藻を「エレベーター」に載せて栽培する手法を開発――4倍以上のバイオマスを産出

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南カリフォルニア大学リグレー環境研究所の研究チームは、大型海藻類の新しい養殖技術を開発、従来の約4倍のバイオマスを産出したと発表した。トウモロコシや大豆など、畑で栽培する原料を使用するよりも環境への影響が少ないバイオ燃料として利用できる可能性を秘めている。研究の詳細は、『Renewable and Sustainable Energy Reviews.』誌に2021年2月19日付でオンライン公開されている。

カーボンニュートラルであるバイオ燃料は、石油燃料の代替物として注目されているが、現在使用されているバイオ燃料の原料には解決すべき課題があるという。一般的に原料として用いられているトウモロコシやサトウキビ、大豆などの陸上植物を栽培する場合、肥料や農薬により水質汚染が発生したり、農地や水を食用作物の栽培と奪い合ったりする可能性がある。その点で、海洋に生息する大型海藻は食用作物との競合がなく、バイオ燃料の原料として魅力的だ。しかし大型海藻が生息する浅い水深では、肥料となる栄養塩が限られており、大規模な栽培が難しいという問題がある。

今回研究チームは、「海藻エレベーター」を使って、夜間は栄養価の高い水深に大型海藻を沈め、日中は太陽の光が当たる浅い水深に引き上げる養殖技術を開発した。

実験では、コンブ科の巨大な海藻であるオオウキモを海藻エレベーターに載せて、夜間は水深80mに沈め、日中は水深9mまで引き上げながら90日間栽培したところ、従来の方法で栽培したオオウキモと比べて、重量で4倍以上のバイオマスを生産することができた。

米エネルギー高等研究計画局(ARPA-E)は、最近海洋バイオマス生産の増加を目的としたプロジェクトに2200万ドルを投入しているが、この海藻エレベーターも採択されて200万ドルが支給されている。さらなる研究は必要であるが、今回の研究は、毎日水圧が変化する生育条件にオオウキモが耐えることができ、低炭素燃料の原料として大規模に栽培できる可能性があることを示唆している。

関連リンク

Effects of depth-cycling on nutrient uptake and biomass production in the giant kelp Macrocystis pyrifera

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