NASA、300マイル先の乱気流を検出するマイクロホンを開発

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Credits: NASA

アメリカ航空宇宙局(NASA)は、2021年3月16日、乱気流を検出するマイクロホンを開発したと発表した。人間が認識する音をとらえるマイクロホンとは違い、人間には聞こえない0.001~20ヘルツの超低周波音を検出するマイクロホンだ。晴天乱気流が起きると、目には見える予兆はないが低周波音が発生するため検出可能だという。

フライト中に突然起こる乱気流は、機内の乗客にとって不快な揺れをもたらすだけでなく、乱気流を回避しようとすると燃料を大量に消費してしまうといった問題もある。そこで、NASAの研究者たちは空中の乱気流から発生する低周波数の音域にフォーカスしたマイクロホンの開発を進めた。マイクロホンの多くは音波によって表面が振動する振動板で音声を拾う仕組みだが、超低音域の音波検出には低張力振動板と振動板後方に組み合わされた密閉気室が用いられた。

NASAラングレー研究所の滑走路周囲に、開発したマイクロホンを等間隔で三角形の頂点の位置になるように配置し、実験を行ったところ、300マイル(約483km)離れたペンシルべニア州上空で発生した乱気流を検出し、その位置を特定できたという。

さらに、無人航空機(UAV)制御システムを開発し地球観測向け高高度飛行サービスを提供するStratodynamicsと協力し、同社が提供する成層圏飛行可能な無人グライダー「HiDRON」に開発したマイクロホンを搭載。高度10万フィート(約30km)以上までHiDRONを上昇させて試験を行ったところ、進路上の少し離れた場所にある乱気流の強さを測定できたという。今後は、乱気流の強さと範囲を把握するためのアルゴリズム設計を進めていく予定だ。

超低周波音を検出できるマイクロホンから得られるデータによって、乱気流の検知や予測が可能となり、航空管制の意思決定や航空路計画などにも活用されることが期待される。

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NASA Microphone Detects Turbulence Hundreds of Miles Away

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