科学者ら、木材からバイオマスベースのプラスチック生成に成功

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Credit: Qinqin Xia for the University of Maryland, College Park.

米メリーランド大学は、2021年3月25日、米エール大学と共同で、木材からバイオマスベースのプラスチック生成に成功したと発表した。研究成果は『Nature Sustainability』に2021年3月25日付で発表されている。

研究者らは、木材中の高分子フェノール性化合物であるリグニンを利用してバイオプラスチックを合成する手法を開発した。具体的には、生分解性を持ちリサイクル可能な深共晶溶媒(DES)を用いて、木くず粉末の多孔質構造を分解し、液体中に固体粒子が分散している懸濁液であるスラリーにする方法を報告している。

生成されたスラリーでは、木材から再形成されたリグニンとセルロースミクロフィブリル/セルロースナノフィブリルが、水素結合しナノレベルで絡み合った状態にある。このスラリーから作られたリグノセルロース系バイオプラスチックは、機械的強度が高く、耐水性、耐紫外線性に優れ、熱安定性が向上していることも確認された。

さらに、研究者らは開発した手法で作製したバイオプラスチックシートを土の中に埋め、環境への影響を調べた。開発したバイオプラスチックシートは2週間後には粉砕され、3カ月後には完全に分解された。従来の石油化学系プラスチックの場合、完全に分解されるまでに数百年かかるとされており、バイオプラスチックによる環境への負荷がいかに小さいかが示された。さらに、このバイオプラスチックは、機械的にかき混ぜることで分解して再びスラリーに戻すことができ、再利用することもできるという。

しかし、将来の懸念点も指摘されている。今回の研究では製材所で廃棄されている木くずを使用しているが、このバイオプラスチックを大規模生産することは森林での大量伐採にもつながりかねない。研究者らは森林生態学者と協力し、森林の成長サイクルと製造プロセスを考慮した森林保持のシミュレーションモデルを検討しているという。

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