ジェイテクトは2021年6月24日、電気自動車(EV)の駆動ユニットのモータ用として使用されるグリース潤滑玉軸受で、世界トップクラスとなるdmn185万以上の高速回転を達成したと発表した。
EVは環境への負荷が低く、厳しさを増す燃費規制をクリアする技術として注目されている。一方で、電力の高効率化や信頼性の向上に向けて、さらなる技術開発が求められている。中でも自動車の燃費/電費の向上に直結するモータは、小型/高出力化が進んでいる。モータを支持する軸受にはさらなる高速回転性能が要求されていることから、高速回転下でも破損や焼付きが発生しない軸受の開発が課題になっている。
同社はこうしたニーズに応えるため、一層の高速回転性と信頼性を追求。高速回転時の保持器に作用する遠心力による応力の緩和や、各部寸法設計の適正化を図り、dmn185万以上を達成することに成功した。
EVモータに関しては、今後も小型/高出力化が加速して高速回転性能への要求がさらに厳しくなり、高温環境下での高速回転性能も求められると予想される。そうした市場の見通しを踏まえ、同社は今後も開発に取り組んでいく考えだ。