米SpinLaunch、質量加速器打ち上げシステムでNASAと打ち上げ試験へ

米SpinLaunchが、NASAと宇宙法協定を締結し、独自の質量加速器打ち上げシステムの試験を開始することを発表した。

質量加速器は、直径約90mの真空槽内で回転する炭素繊維製アームを用いて、衛星を搭載したロケットを時速8000kmまで加速させて発射でき、通常のロケット発射に必要な燃料の70%以上を省けるという。

SpinLaunchは2021年10月、再利用可能な飛行体の超音速での飛行試験に成功した。後に、ニューメキシコ州にあるスペースポートアメリカで、さまざまな搭載物とともに、時速1600kmを超える速度で定期的に準軌道の飛行試験を重ねてきた。2022年後半には、NASAの実験装置を搭載して飛行し、共同でデータ分析、将来の飛行に向けてシステムを評価する予定だ。

SpinLaunchの創業者兼CEOのJonathan Yaney氏は、「SpinLaunchは、独自の準軌道飛行と高速試験サービスを提供しており、今回のNASAとの打ち上げ契約は、SpinLaunchが技術開発から商業サービスへと焦点を移す上で、重要な転機となります。宇宙をもっと身近にするというアイデアに始まり、技術的に成熟し、打ち上げの手法を変えるまでになりました。また、NASAのSpinLaunchに対する継続的な関心とサポートに非常に感謝しています」と述べた。

災害監視、気象、国家安全保障、グローバルな通信などに必要な低周回軌道用の安価な小型衛星に対する需要が高まっている。SpinLaunchは2025年に、軌道上に打ち上げる初の試験を実施する計画だ。

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