レーダー妨害を受けてもターゲットを追跡――マルチセンサーシステム搭載無人機の自律飛行試験に成功

米General Atomics Aeronautical Systems(GA-ASI)は2021年7月2日、同社の無人航空機システム(UAS)「Avenger」に、Lockheed Martinのマルチセンサーシステム「Legion Pod」を搭載し、自律的にターゲットを追跡しながら飛行することに成功した。レーダーが妨害された状況でもターゲットの位置を検知可能で、軍事作戦における有人機と無人機の連携(MUM-T:Manned and Unmanned Teaming)に一歩近づいたとしている。

Avengerは、翼幅20m、全長13mの情報収集/監視/偵察(ISR)用無人機で、複数のセンサーを搭載し、飛行高度は5万フィート(約1万5000m)以上、滞空時間は20時間以上だ。

Legion Podは、直径16インチ(約0.4m)、長さ98.5インチ(約2.5m)のポットで、赤外線センサー「IRST21」を搭載し、レーダーが使えない環境でもターゲットの捜索と追跡が可能。これまでにF-16戦闘機を使った飛行試験にて、追跡機能の実証に成功している。

今回の飛行試験では、Legion Podがエリア内を高速移動する複数の飛行機を検出し、Avengerの自律エンジンに追跡情報を与えた後、Avengerが自律的にターゲットの優先順位を付け、交戦に向けた機動飛行をした。無人機が人間の介入なしに軍事行動を取れることを実証している。

また、米軍が推進するオープンミッションシステムズ(OMS)を利用したことで、Legion PodのソフトウェアとAvengerのシステムの統合には3カ月もかからなかったという。既存のシステム同士が最小限のコストで迅速に統合できることを示すことにもなった。

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