白金不使用の燃料電池向け触媒材料を開発――酸素還元触媒活性と安定性を同時に発揮 熊本大学ら

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熊本大学は2021年10月4日、東京工業大学、静岡大学、旭化成と共同で、白金を使用しない燃料電池向け触媒材料の開発に成功したと発表した。

水素と酸素を化学反応させて発電する燃料電池を搭載した燃料電池自動車は、走行時に温暖化ガスを排出しないために近年普及が望まれている。しかし現在、燃料電池の触媒には高価な白金が1台あたり20~30g程度使用されており、それが普及の妨げになっている。

代替の触媒材料として、鉄の周囲に配位子の鉄フタロシアニンを結合させた、環状化合物などの金属錯体が研究されてきたが、燃料電池の作動環境である酸性電解質中での安定性が実用レベルに達しないという課題があった。

今回の研究では、鉄原子を固定化する錯体の配位子として、従来の十六員環をとるフタロシアニンよりもコンパクトな、十四員環をとる配位子の鉄錯体を新たに合成。電位掃引試験、および放射光分光を用いたリアルタイム分析で評価した結果、酸性電解質中の安定性において鉄フタロシアニンを大きく上回る安定性と、燃料電池の触媒として十分な酸素還元触媒活性を同時に示すことが分かった。構造がコンパクトになったことでより強固に鉄原子を固定化し、酸性電解質中でも安定な鉄錯体となったことがその要因だと考えられるという。

今後、鉄錯体の構造をさらに最適化することで、より高い触媒活性を目指す。これにより将来的には燃料電池自動車の非白金化の実現が期待できるという。

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